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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
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ロキフェルの剣戟と反撃


「フン・・・他愛無いな。」


「ベベ!!いきなり攻撃しないの~!!」


「何を言う。そこの【魔王】が準備出来たと言ったのだ、不意打ちですらないわ。」


炎に巻き込まれている僕と悪魔を挟んで悠長なお喋りは止めて欲しい

けどまぁ、この程度の炎なら僕の悪魔で充分対応できている

僕の身代わりに受けた悪魔が炎を風圧で薙ぎ払う

無傷で事もなげに現れた僕を見て彼女達も驚いている


「そこの龍族が言う様に不意打ちですらないね。・・・さて、役者は揃ったかな?」


僕の両脇には悪魔騎士が4体控え、指示を今か今かと待ちわびている様子だ

その悪魔騎士の様子と僕の殺気にあてられたのか、彼女たちも一様に戦闘態勢を取り出す


「龍族には2体で、魔獣には1体ずつ向かえ。人族は僕が相手する・・・行け!!!」


「シギャァアァァァァァァッァァァッァァァ!!」


そう言うが同時に歓喜の声を上げながら各々の相手の方へ攻め込んでいく

僕はカラミトルに対し帯剣していた剣を振り上げて攻撃を行う


「おおっと!!!」


彼女は予想以上に機敏な動きで僕の攻撃を避ける

今の僕は男だから物理の方が得意なのにも拘らず避けられた事に驚きながら感心する


(まぁ全盛の僕が男になったら避けるなんて絶対無理だろうけど・・・アレは魔力も0になるし寿命も削るしなぁ・・・。)


「じゃあ次は私ね~!!『ブースト』!!」


避けたと同時に加速して反撃を繰り出してくる

それを間一髪で避けると・・・


「ほ~れっ!!!」


「がぁ?!!」


「いだっ!!!」


下から拳を突き上げる様に行ってきた攻撃を頬に受けてしまうが、殴られた瞬間に彼女に向けて剣を振るい太股部分を浅く斬る事が出来た

反撃を受けたのは予想外だったが・・・今のままでも近接戦闘が出来ると分かったのはデカい

すぐさま立ち上がり、剣を構えて相手の出方を窺う


「痛いなぁ~・・・。」


彼女も余りダメージは無かったらしく立ち上がる

そして拳に鉤爪を装着しこちらに向かって構えだす


「ふっ!!!」


互いに向かい合い少しの時間が経過した時、唐突に僕は斬撃を飛ばす

だが斬撃はいとも容易く避けられる


「ふっ!ふっ!ふっ!!!」


彼女を追撃する様に斬撃を飛ばして追い掛けるもそれら全てを避け、少しずつこちらへ近寄って来る

だがそれに構う事無く攻撃を続ける


「もらった~~!!!!」


少しずつ近づいて来た彼女が、僕が射程に入るや否や左側面から殴り掛かろうとする


(ほんと・・・純粋と馬鹿は紙一重だよね。)


内心ほくそ笑みながら『円刃』を発動させる

自分の周囲を円を描く様に側面から斬るスキルだ

加速して攻撃のモーションへ移行した彼女にこのスキルを避ける術はない


「・・・?」


だがスキルを発動させたにも拘らず手ごたえがない

彼女のいた方へ視線を向けると鉤爪を地面に突き刺し加速を止めていた


「しまっ!!」


目が合った瞬間、彼女はニヤリと笑い再度加速してこちらへ向かって来る


「くらえ~!!『サンダーナックル』!!!」


「がっ!!!!」


スキル発動直後におきる一瞬の硬直を狙われて彼女の拳が僕の腹部に直撃し、そのまま十数メートル飛ばされる


「どうだっ!!!ロッキンのお兄さんに会わせてくれる??」


「・・・・・・。」


直撃を受け息が出来ない僕に対して追い打ちを掛ける訳でも無く、彼女はそんな事を言い出す

僕は立ち上がりながらその得意げな表情を見ながら思考を巡らせる


(しかし・・・スキル硬直の瞬間を狙われたとは言え・・・【魔王】にダメージを与えるとはね。彼女の評価を改めざるを得ないな。)


どうやら今の僕と彼女との近接戦闘であれば彼女の方がやや上と認めざるを得ない


「・・・ねぇカラミン。」


僕は再度魔力を練り上げる

今までと質の違う僕の魔力を感じたのか彼女は表情を引き締める


「どうやら近接戦闘では君の方が少し上みたいだ。じゃあ・・・魔法特化の僕と君だったらどうかな?」


そう告げた瞬間に僕の身体から魔力の火柱が立ち込めて行った


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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