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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
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ロザンワの勝負と勝敗


「『夜王の波動』っ!!」


「アイスロックッ!!!!」


そう彼女が詠唱を完了させる瞬間に私は数少ない設置型魔法を発動させた

アイスロックは上級魔法となっており、相手を氷漬けにするトラップ型魔法だが・・・彼女ならものの数秒で解除してしまうだろう


けれど()()()()()()()()()()()私には好都合だ


(ふふふ・・・出来るだけ範囲を狭めないと・・・魔力が枯渇してしまうかも。)


身を隠し、魔力を練り上げていた私は【禁呪】を氷漬けになっている彼女に向けて発動させる


「4 r6th7t8fg674 e86tn ・・・【天地獄タル終炎】!!!」


「この・・・程度っ!!!な゛っっっ?!!!」




ーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーー




発動と同時に彼女は氷を割るが・・・もう遅い・・・

彼女の立っている地面が一気に燃え盛り立っているだけで足が溶けてしまう温度となる

どうやら地面に触れない様に羽で宙に飛ぶが・・・同時に頭上から大型の隕石が彼女に目掛けて押し寄せてくる


「この・・・程度っ!!!」


範囲が狭い事を逆手にとって範囲外に飛び立とうとするが・・・炎風が遮り回避できる場所等はなかった

そうこうしている内に地面の炎はマグマの様に湧き立ち、上空からは大型の隕石が近づいている


「人族を侮った報いですよ・・・。マリトナさんでしたっけ?お別れです。」


「お、お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!」






ーーーーーゴグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッゥゥゥゥーーーーーーー







彼女が叫んだ瞬間、強烈な破壊音が辺り一面に鳴り響く・・・

最早立つ事も出来ず、その場にへたり込んでしまう


「ふふ・・・魔力枯渇の・・・本当に一歩手前でしたね・・・。」


【禁呪】と心中するのならばそれも悪くないけれど・・・どうせならもっと魔法を極めてみたい

指一本動かすのも力を使う程の疲労度故か、そのまま地面に伏してしまう


(アカノさん、カラミトルさん・・・やりましたよ・・・。)


疲労はとうにピークは過ぎているが・・・その疲労が心地いい


(このまま眠ってしまおうかしら・・・。)


そう考えながら意識を飛ばそうとした時、私の前でジャリッと音が聞える


(・・・???)


首を上げるのも億劫な状態ながらも辛うじて前方に視線を上げると・・・片膝を付いてこちらに視線を向けた傷だらけのあの魔族、マリトナが居た


「な・・・んで・・・?」


私が頭に浮かんだままの言葉を紡ぐと笑いもせずに淡々と言葉を返してくる


「・・・お前の魔力が切れたからだ。私も『夜王の波動』と『夜王の魔衣』で衝撃を和らげたのも良かったのかもな。だがまぁ・・・お前の魔力切れが直接の原因だ。それが無ければ私は間違いなく死んでいただろう。」


「・・・う゛ぅ゛。」


身体は動かないのに涙が溢れる

・・・結局の所、私は【禁呪】と心中する勇気がなかったのだ

無意識のうちに自分で限界を見極めて発動を止めてしまったのだ


「なんだ・・・。今から死ぬのがそんなに悔しいか?」


「・・・ぢがう。・・・友達の゛・・・名誉を・・・守れながっだ。」


「・・・なんだと?」


「び、人族は・・・確かに醜いかも・・・じれない。でもっ!!でも私の・・・友達ば・・・あの2人はっ!!決して卑怯でも!!姑息でも!!ましでやっ゛自己中心的でもないっ!!!」


泣きながら喚き散らす私を見て、マリトナは目を見開く

暫し硬直したと思うと柔らかな表情を見せ「そうか。」と呟く

そして満身創痍の身体を無理やり動かす様に立ち上がり私に視線を向けたまま口を開いた


「この戦いは・・・私の勝ちだ。だが不本意ながら後数秒発動されていれば私は間違いなく死んでいただろう。私にとってこの様な勝利は本意ではない。次にお前が生きていて再び相まみえる事が有れば・・・その時に決着をつける。」


そう言って踵を返し立ち去ろうとする


「・・・そうだ。」


マリトナはそう言って立ち止まり、呆けている私を見ながら口を開く


「お前の友を人族と一括りにし侮辱した事は・・・悪かった。」


そう言ってまた歩き出す彼女を見て、緊張の糸が切れたのか魔力枯渇が原因なのか眠気が再度私に襲い掛かる


(アカノさん、カラミトルさん・・・魔族は、そんなに悪い種族ではないかもしれませんよ。)


そう呟くと同時に私は意識を手放した


いつも有難う御座います!!

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