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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅺ章【ケツルイガシタタルホドニ】
242/640

アカノの到着と到達


「はぁ・・・はぁ・・・」


鬱蒼とした樹木を搔い潜りながら獣道を突き進む

カラミトルとロザンワはパパとピピに乗せて貰い、私は走りながら最寄りの街を目指して進んでいった


「ねぇアカのん、私たちどこに向かってるの?」


パパに乗りながら、彼女らしくない真剣な表情で聞いて来る

それだけ彼女にとっても切羽詰まった状況だと理解できているのだろう


「先ずはこの森を抜けて、最寄りの街のギルドへ向って、そこのギルマスと話し魔族に襲われた場所を聞くつもりよ。」


「そうね・・・普通に考えれば倒壊したばかりの帝国砦が定石なんでしょうけど、魔族がどう動くか想像もつかないわ。」


ピピに乗っているロザンワも同意してくれる


「でもこの森大きいね・・・まだ森を抜けないのかな?」


「この森は【嘆きの森】と言われている。国と国の境界線を位置していると同時に魔族領とも境界線の役割をされているらしいわ。まぁ本当なのか知らないけどね。」


「あら、それは本当に事よ?」


私が何気なくカラミトルの質問に答えるとロザンワが答えてくれる


「この【嘆きの森】はね、余りにも広大過ぎて生態系は勿論、森に入ると方角や位置関係すらも把握出来ない場所よ。」


「私は何度かこの森に入った事あるけど・・・」


「人族が把握出来ている場所なんてこの森の30分の1っていう所よ。余りにも広大過ぎて魔族の目撃情報も少なからずある事から魔族領と繋がっているでしょうね・・・」


「ふ~ん・・・なんか難しいんだね?」


そんな事は話しながら森を駆ける

幸い、カラミトルの聖獣が道を先導してくれるので右往左往せずに済んでいるのは大きいアドバンテージだ


「見てっ!!あれって出口じゃない?!」


カラミトルが指を差す方へ視線を向けると確かに光が薄っすら見える


「そうですね。先ずは森を出て現在地を把握しましょう。」


ロザンワの言葉に2人とも頷いてその光を目指す事にした


・・・


・・・・・・


「ここは・・・。」


「見た事ない景色だね~。」


2人はあたりを見渡しながら現在の場所を確認しようとする

だが、辺りは通常の道と草原があるだけで手掛かりとなるものは無いだろう・・・通常ならば、だが


「大丈夫、私はこの道を知っているわ。こっちに向かいましょ、ある意味で私たちにとって都合の良い場所に辿り着いたかもしれないわ。」


「アカノさんはこの道を知ってるの?」


「こんな草原だけで場所が分かるなんて、アカのん凄いね~。」


私は自分が指さした方へ更に駆けだしながら彼女達の疑問に回答する


「この国はね、【サンドール商業国】よ。ここならギルドに行くよりも評議会に向かった方が情報は確実よ。・・・なんせ、情報は商人の命らしいから。」




「失礼、評議会委員のグンガス殿に会いたいのですが。」


あれから程無くして首都に到着した私たちは迷う事無く評議会へ訪れた

ギルドへの聞込みも必要だとは思うが、クロノ捜索の件で私は彼らの情報を高く信用しているのが大きな理由だ


「アポイントは御座いますでしょうか?」


まぁここら辺は受付からすればマニュアルとして言わざるを得ないのだろう

分かってはいるが少しの時間も惜しいと感じている私にはホンの僅かながら苛立ちが募る


「有りませんがグンガス殿にこうお伝えください。【剣聖】と2人の【勇者】が会いに来た、と。」


私がそう告げると、彼女は目を見開きながら口をパクパクさせる


「しょ、少々お待ち下さいっ!!!す、直ぐにご案内しますっ!!」


彼女はそう言いながら慌てて準備をする

確かに面会を求めたのはコチラだが、確認もせずに案内しても良いのだろうか?

おう思いながら誘導されるまま部屋の方へ向かう

すると脇から2人がコソッと話しかけてくる


「アカノさん、貴女・・・この国で何したの?」


「アカのん・・・何か悪い事でもしたの?」


若干疑いの眼差しを受けながら、首を大きく横に振る


(どちらかと言えば・・・被害者は【名誉騎士】なんてモノを押し付けられた私なのに・・・)


そう呟きながら心で深い溜息をつくばかりだった・・・

いつも有難う御座います!!

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