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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
240/640

【間章】真祖の計画と計略


「・・・天使族が敗れたか。」


誰もいない謁見の間で一人呟く

いや、この謁見の間だけではない

城内も、街中も、国中の何処を探しても私以外はいない


「クロノ君は・・・思った以上に強くなっているねぇ・・・。」


「貴方の依り代としては充分な強さを手に入れたんじゃないかしら?」


・・・前言撤回だ

どうやらこの国には僕以外にもいたらしい


「ファスミーヤか・・・君がこの国に入る許可をだした覚えが無いけれどねぇ。」


私がそう言うと彼女は姿を現す


「あら?もうファスとは呼んでくれないのかしら?」


「君が居ない所であればそう呼ぶかもしれないけれどね?少なくとも今は呼ぶ気になれないよ。それで?君は何しに来たんだい?」


「貴方の真意は知りたくて、ね・・・。貴方のお気に入りは同格の【魔皇帝】すら退け、【魔神】となる資格を得た訳だけど・・・貴方は何がしたいの?」


その言葉を聞きながら喉を潤しながら「別に。」と言って言葉を続ける


「ファスミーヤ・・・私の願いはあの頃から何も変わっていないよ。過保護な親、鳥籠に入れる飼い主、王座で嘲る王から逃れたいだけさ。」


「・・・貴方はあの頃から本当に変わってないのね。」


「逆に君たちの考えこそ私は理解に苦しむね。」


「貴方の言う親や飼い主のお陰で安息が手に入っているじゃない。」


その言葉を聞いて思わずグラスを握り割ってしまう

あぁ、まだ僕は心が自制できないみたいだなと俯瞰的に笑う


「こんな状況が安息だと言うのならば・・・それは糞ったれた状況だ。言っておくけど安息と無動は異なるからね?」


「その辺は散々議論したからもう良いわ。それで?あの人族は貴方の願いを達成出来そう?」


「今の所は順調だろうね。ただ今からは試練の連続だ・・・その試練を潜り抜ければ、ね。あぁ、後は君たちが邪魔しなければ、かな?」


私はそう言いながら彼女に視線を移す

そうすると彼女は嫌な顔をしながら頭を抱える


「・・・私はしないわよ。私の子が何故か懐いちゃっているからね。子供に嫌われるのはごめんだわ。」


その言葉に思わず笑みが零れる

彼女からすれば純粋な直系の子供だ

ただでさえ妖精霊族は数が少ないのだから尚更だろう


「正直君の子は、君よりも僕の考えに近いからね・・・」


「何?私に喧嘩売ってるの?」


「いや・・・ここ数百年でここまで刺激的な日々はなかったなと思ってね。」


「・・・・・・」


「さぁクロノ君・・・舞台はできつつあるよ?【魔神】となった君ははたしてどう動くかな?そして・・・私と再会した時、君はどう思い、どう言う結末を望むかな?」


それを思うと胸が高鳴る

私は腰を浮かせて王座から立ち上がる


「・・・何?どこか行くの?」


「あぁ、ちょっとした野暮用だけどね・・・。付いてくるかい?」


そう軽口で答えると嫌な表情を浮かべて首を横に振る

その動作を気にも留めずに歩き出しながら思考を纏める


(先ずは部下達の動向の確認と・・・クロノ君の答えの確認、それと・・・久しぶりに親に顔でもだそうかな。)


そんな事を考えながら歩を進めて城を出る

幸い、彼がこの国に入るのは未だ先だろう

どうにも私は自分が思っている以上に高揚しているみたいだな・・・


「仕込みは上々、か・・・。」


ここまで気分が高鳴るのは本当にいつぶりだろうか・・・


ねぇ、クロノ君


あの日、君を出逢って


偶然だけれど


あの日、君を拾って本当に良かったよ・・・


そんな事を思うと笑みが零れる

笑い方を思い出したのは君と出逢ってからだなんだよ


君にそう言ったら君はどう思うかな・・・


そんな事を考えながら私は先ず、部下の1人の元へ赴く事にした


いつも有難う御座います!!

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