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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅱ章【クロハクロヨリクロシ】
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クロノの真相の深層

最近すこしずつPVも増えて本当に嬉しいです!!

いつも皆さま本当に有難う御座います!!


「やはりか…」

彼は何かを考える様に腕を組んで目を閉じる


「クロノ君、私が謝罪するのはその点だ…ハッキリ言おう。君は高い確率で記憶が飛んでいる。しかも自分が1番大切だと思っている人の記憶が亡くなっている…」


僕がキョトンとした表情をしているのだろう

ブロウドさんは言葉を続ける

「正直、先程は違和感だと言ったのだが今の君は異常なのだよ。人族から魔族に生まれ変わったにも関わらず動揺がなさすぎる。それ所か直ぐに受け入れる事が出来た。幾ら君が戦闘孤児だったとは言え、今は名前もあり人格形成も出来ており、頭も悪くない。身だしなみもしっかりとしている君が独学だけで今の君になり得る可能性は低いと思っている。」


…何を言われているか分からない

僕は今まで1人で生きてきた…筈だ

パーティー【グングニル】を組織し(1人で?)、パーティーメンバーが集って(無職のメンバーに?)SS級まで上り詰めた(無職に集うパーティーメンバーで?)


自分自身を思い出そうとすると心の中で疑問点が沸き上がる…

確かに変だ…1人で過ごして1人で結成したパーティーでSS級まで行ける訳がない…


それに…ローエルはあの時言った

『連れて帰っても事の成り行きを聞けば()()()は激高し、間違いなくパーティーを脱退するだろう。』と…


アカノ…誰だろう…

思い出せない

震える声でブロウドさんに告げる

「心当たりは…あります。アカノという人が多分、僕にとって1番大切な人かもしれません。」


「そうか…やはり記憶を飛ばされていたんだね。本当に申し訳ない事をした。」

そう言いながら再度僕に頭を下げてくる


「いえ…名前を思い出せて良かったです。その人には訳を話してこれからを過ごしていけば良いだけですから。」


僕がそう言うと、彼は渋い顔で頭を横に振る

「クロノ君、残念だが…君はもう人族の中に入る事は出来ない。そのアカノという人にも会う事は出来ないよ。」


その言葉に驚いてしまう

「何故ですか?!魔族になったとは言え姿形は以前の僕と変わりませんよ?!このまま街に戻れば良いだけでは無いですか?」


彼は神妙な面持ちで言葉を続ける

「理由は幾つかあるが…まず君の魔力は人族の様な微弱で透明な魔力ではない。人族で言う【賢者】程の魔力で且つ黒い魔力を有している。その黒い魔力は人族にとっては害以外の何物でもない…もう1つは姿形がずっと今のままか分からないという点だ。確かに今の君は人族と同じ姿形をしている。しかし、魔族となった今、いつ変形するかも分からない…そうなれば君は人族に害ある魔族となってしまう…」


…僕は絶句してしまった

それはそうだろう

人族で『不吉の象徴』と揶揄された僕がそのままの存在になってしまったというのだから


それでも多分、ブロウドさんは僕がどうしても戻ると言えば見送ってくれるだろう

でも…その大切な人がすぐ見つかるかもわからない、見つかってもその人を害してしまう

それを知っても戻るという選択肢は僕には無かった


「…ブロウドさんは僕の記憶が無くなる事を知っていたんですか?」

項垂れながら整理できない頭で聞く事が出来のはその事だった


彼は再度首を横に振る

「いや…君の大切な記憶が飛ぶという事は知らなかった。けれど、何かを犠牲にする事は知っていたよ。どんな事象でもそうだが…強大なメリットの対価としてデメリットが発生する事は至極当然の事だからね。」


僕は彼のその言葉をボンヤリと聞いていた



……


………


アカノ…どんな人かも分からないその人と出会う事はもう無いだろう

僕は魔族だ

その人の為にも僕はもう前に出るべきではない

もしかすると僕が勝手に1番大切だと思っているだけで、その人はそう思っていないかもしれない

(いや…そうに違いない)と自分で思い込んだ

この結論が逃げていると理解していても、そう思わないとやっていられなかった


「分かりました…人族には近づきません。それではこれから僕は魔族として生きていくんですね?」


僕がそう言うとブロウドさんは頷く

「そうだね…ただ突然魔族にされた手前、魔族の生活や暮らしぶりをしる由もないだろう。だから当分の間は私の元で身体を慣らし鍛えてあげよう、それから魔族として溶け込むまで傍に付いていてあげよう。」


「そんな!!生き返らせて頂いた上に【真祖】にそこまでして頂く訳には!!」

そう言う僕の前に人差し指出しながらブロウドさんは続ける


「これは生き返らせた存在の義務だ。生き返らせた存在はそれだけで義務を放棄できないと認識し給え。」

そう言いながら微笑む彼の顔に僕は思わず頭を下げてしまった


「……宜しく、お願い、致します。」


そう言った僕の周りの花は風で静かに揺り動いていた









クロノさんが余り動揺しなかったのはこれが理由です。

蛇足ではありますが、アカノとアカノの父の記憶も飛んでおります。

そこもいつか伏線回収したいと思います


「蛇足じゃこらぁ!!」という方は★を、「ちゃんと回収せーよこらぁ!!」という方はブックマークをお願い致します!!



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