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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
230/640

クロノの戦いの打開


「我らは等しく欲求、欲望を携えて生きておる。それは何故か?それを突き詰めた強力で純粋な欲望こそが他と一線を化す【大罪スキル】よ!!おおっと!!!」


彼女は僕の斬撃を避けた後に空に羽ばたき宙を舞った

だが、それよりも・・・彼女に説明を受けた所で新たな疑問が浮かび上がる


「・・・【大罪スキル】は複数あるんだよな?」


「まぁ、我から避けたのだから答えてやろう。過去の書物や記録を照合すると判明されているのは7つ・・・【怠惰】、【嫉妬】、【色欲】、【暴喰】、【憤怒】、【強欲】、【傲慢】だな。まぁ我からすれば後1つくらいはありそうな気はしておるが。因みに不思議なモノでなぁ・・・その【大罪スキル】は何故か【魔王】からしか顕現された記録しかない。」


「・・・・・・何故?」


「さぁ?それは我にも分からぬ。だがまぁ、【魔王】とは何処までも本能に忠実なモノが多い。それが起因しているやもしれんなぁ。」


僕はそうじゃない!!そう言いかけて言葉を飲み込む

ここでそう告げるのは自分が【大罪スキル】持ちである事を露見してしまうからだ・・・

だが僕の表情を見て彼女はニヤリと笑う


「成程成程・・・どうやら貴様も【大罪スキル】持ちか。7つの【大罪スキル】が揃っているであろう事は有史以来、初めての事ではないか!!」


「・・・・・・」


「ふん、だんまりか・・・。だがもう遅いぞ!!愚か者であったとは言え【大罪スキル】持ちであったブーザルを単身で制し、【魔皇帝】となっているであろう貴様は間違いなく【大罪スキル】持ちよ!!その時点で貴様と我は遅かれ早かれ相見える運命にあったのだ!!!」


そう言った瞬間、彼女の魔力が今までとは比にならない位に跳ね上がる

白かった翼は金色の翼に変容し、翼一枚一枚が異常な魔力を備えられている


「ここからは本気で対峙しよう・・・【黒家クロノス】の【魔王】・・・いや、【魔皇帝】よ!!【天聖国アンギス】の【魔皇帝】である我がその命を奪い去ってくれるわ!!」


「?!!」


「何を驚いている?まさか【魔皇帝】が自分のみだとは露ほども思っておるまい?」


確かに彼女の言う通りだ・・・

言う通りなのだが、ここで【魔皇帝】と出くわすとは思わなかった

先日の会議で報告されていた【魔皇帝】になっているかもしれない国の【魔王】が彼女だったとは・・・


(情報を活かしきれなかった僕のミスだな・・・)


「薄々気付いておるやもしれないが、我も【大罪スキル】持ちだ。同じ【魔皇帝】で【大罪スキル】持ち故、遠慮は要らんぞ?」


「・・・残念ながら遠慮する気は毛頭ないよ。」


「そうか。それは安心したぞっ!!!!」


そう言うと同時に8枚の翼から無数の光弾が僕の方へ放たれる

先程の光の鎗とは違い、1つ1つの威力密度が明らかに強い


「くっ!!」


【暴喰ノ口】を再度発動させて触手で光弾を絡めとる


「ほう・・・先程も見たが我の光弾を絡めとるとは・・・それが貴様の【大罪スキル】で間違いなさそうだ。だが・・・()()かな?」


「?!!」


その言葉と同時に僕の足元に光弾が()()

触手で光弾を絡め取って口で喰らっていっている筈なのに・・・それはつまり()()()()()()()()()()()()()()()()事を証明している


「あ・・・有り得ない!!!」


「ほん・・・敵国の【魔皇帝】よ、先人の偉大な言葉を教えてやろう。『()()()()()()()()()()()()()』のだ!!」


そう言うとより一層光弾を放つ速度が増していく

僕は【暴喰ノ口】をもう1つ発動させ、触手の数を増加させた


「ほう、もう1つ顕現させる事が出来るとはな。・・・貴様が【魔皇帝】になった事による影響か?」


「・・・・・・」


彼女の言葉を無視して打開策を必死に考える

【怠惰ナ脚】を使用して地に落とすか?

・・・駄目だ、そうなると【暴喰ノ口】が消えてしまい光弾をまともに喰らう

前進して直接斬りつけるか?

・・・駄目だ、彼女の元へ辿り着く前に光弾をまともに喰らう


僕は限りあるこの僅かな時間で必死に思考を巡らせた


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している!!」と言う方は★&ブックマークを何卒宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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