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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
227/640

クロノの意義と意味


「此処か・・・」


ファーニャ達に軍隊を任せ、僕は城門を壊し城下町をただ歩いた

道中に天使族に少しばかり襲撃を食らうが兵士ですら無い彼らに傷1つ付けられる訳も無く城内に入る


「き、貴様!!!単身で乗り込んでくるとはいい度胸だ!!」


「我等の剣の錆としてくれる!!」


城内に入ると30ばかりの兵士が待機し襲い掛かって来るが・・・当然相手になる事も無く、蹴散らし謁見の間に到着した


「・・・・・・」


扉に手を掛けようとするとギギギと扉が勝手に開きだす


「其方が【黒家クロノス】の【魔王】か・・・」


扉から数百メートル先にある王座に腰かけた人物が僕にそう声を掛けてくるが、何も言わずに王座の方へ向かい対峙した


「・・・答えよ。其方が【黒家クロノス】の【魔王】か?」


「是。」


王座に腰かけている【魔王】は・・・女性だった

長い白銀の髪を束ね、金色の瞳でこちらを射抜く様に見つめてくる

煽情的な服装をしており、およそ戦時中に着るには似つかわしくない


「そうか・・・我が【天聖国アンギス】の【魔王】である、サタニック=A=ルシファーである。」


「・・・【黒家クロノス】、【魔王】・・・【クロノ=エンドロール】也。」


僕がそう告げると満足そうに頷き・・・酒瓶をこちらに投げてきた


「飲め。別に毒は入っておらぬ。此処まで来たのだから互いに言いたい事も有ろう?あぁ、その邪魔な仮面は外せよ?」


「・・・我は、容易に、これを外さぬ。」


「まぁそう言うな・・・。ほれ、特別に外してやったぞ?」


「?!!!」


そう言った彼女の手には僕の仮面が掴まれている

自分の顔に触れると仮面が・・・無い!!


「ほう・・・その様な顔をしておるのか。黒髪黒目とはまた珍しいな。」


「・・・なにを。」


臨戦態勢を取り彼女を警戒する

僕は一瞬でも意識を彼女から逸らしていない

にも拘らず・・・彼女の手には僕の仮面が掴まれている


「そう警戒するな。まずは顔を合わせて話し合ってみなければ何も進まないだろう?」


そう言って脇にある酒瓶に口を付けながらこちらにも促す

僕は飲み物を一口だけ口に含み、彼女の次の言葉を待つ


「しかし・・・【黒家クロノス】か。この数ヶ月で好き放題してくれたなぁ?」


「別に好き放題した訳では無い。僕の目的の為にそうなったというだけだ。」


「それが好き放題だというのだ。トリクトリロとの同盟は普通に問題無い。あの醜悪なブーザルを滅したのも許してやろう・・・。だがトリクトリロだけでなくインフォニアやソウトウキを属国化し13国の内5国を手中に収めたのは些かやり過ぎでないか?しかも人族領にも宣戦布告を行う?これは有史以来初めての出来事だろうよ。」


「・・・人族に関してはあちらから仕掛けてきた事だ。」


「そうだろうな。だがこのまま人族領と戦争を行い、魔族領とも戦争を行って・・・貴様は何が目的だ?」


「・・・【ズファイオ魔帝国】を目指す。」


僕がそう答えると、彼女は一瞬目を見開く

そして楽しそうに笑い出した


「はははっ!!あの『帰ラズノ国』を目指すのか?!」


「・・・『帰ラズノ国』?」


「そうだ。あの国へ向かった者は例外なく誰も戻ってこない。・・・知らなかったのか?」


「聞いた事が有る。」


「だろう?だがお前が知っているのは兵士や使者が戻って来なかった程度だろう?・・・魔族領の歴史は長い。【魔王】自らが兵を率いても戻って来なかったという事実もあるのだぞ?」


「・・・・・・」


「我が知る限り2人の【魔王】があの国へ赴いた。・・・どうなったと思う?」


「・・・戻って来なかった、か。」


僕がそう答えるとさらに大声で笑い出す


「はははっ!!そうだっ!!誰も戻らない!!だがそれだけでは無いのだよ!!」


「・・・?」


「【魔王】が戻らなくなり幾ばくか経つと・・・その国から称号【魔王】持ちの魔族が新たに見つかったのだ!!称号【魔王】は簡単に現れる称号では無い!!にも拘らずいなくなった途端に新たな【魔王】が突然現れる。・・・そんな偶然が2回も続くと思うか?」


「・・・何が言いたい?」


「あの国は触れてはいけない国なのさ。貴様がどの様な目的であの国へ向かおうとするかは知らんが・・・あの国にはとんでもないナニカがあるんだろうさ。・・・それでも向かうのかい?」


そう言われて更に酒瓶に口を付けて思案する

プロウドさんの課題というだけでそんな場所に向かって良いのか?と・・・


暫し悩み、結論を出し口にする


「・・・・・・。僕は・・・それでも【ズファイオ魔帝国】を目指す。」と。

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