バルデインの罪と詰み
「つ、罪の証・・・ふざけるな!!罪で強く等なれるものか?!!」
先程の威勢は消え失せて、圧倒的な戸惑いと恐怖を感じ取る事が出来る
感覚も鋭くなったのだろうか?等と考えるものの凶悪なまでの破壊衝動が襲い掛かって来て考えが纏まらない
「・・・どち、らにせよ、悪いが貴公の命は最早・・・保証出来ん。死ねば怨んでくれても構わん。」
そう言うと同時に一気に相手に詰め寄る
・・・自分の感覚と実際の素早さに差異が広く気持ち悪い
そのまま無造作に右腿を斬りつけるが、斬りつけた攻撃力も明らかに跳ね上がっている
「が、がああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!:
どうやら片足は失っていないものの、右腿から血飛沫が噴水の様に飛び散る
だがその様子に臆する事無く、続けざまに連撃を繰り出す
腰から左肩、右腕、首筋、左肩から腰、右脛、左脛、両わき腹から肩、背中、背中、臀部へと斬りつけると前方に飛び連撃を避けてきた
最早、辛うじて無事だと言えるのは羽の部分位だろうか・・・
出血過多で今にも倒れそうだった
「ふ、ふざけるな!俺様は天使族の四武筆頭だぞ?!!そんな俺様が・・・俺様が・・・」
何かを叫んでいる様だが、今の私にはどうでも良い
一気に決めるべく詰め寄っていくと、突如地面から爆発の衝撃と轟音が鳴り響く
「?!!」
空中に避け、敵の居場所を確認しようとすると同時に、円形の刃物数十一斉にこちらに襲い掛かって来た
空中に飛んでしまったが故に逃げ場など無く襲い掛かる刃物を捌くも左肩、右腕、腰、首筋に刃物が掠める
「ふふ・・・馬鹿め!!!僕は身体のあらゆる場所に【魔王】様をお守りする道具を仕込んでるんだ!!執事としての優雅さと主をお守りする為の対策を兼ね添えた俺様ならではの手段だ!!!」
首筋を甲でなぞるとベッタリと赤い血がへばりつく
「ヒヒ・・・俺様がちょっと本気を出せばこんなもんだ!!更にっ!!!」
そう言うと同時に羽をはばたかせ上空へ飛び立つ
満身創痍にも拘らず、なぜか勝利を確信しているのか厭らしい笑顔を浮かべる
「低族なお前には対抗策を講ずることが出来まい!!!俺様たち天使族に許された飛翔・・・ここから魔法をお前が息絶えるまで打ち込んでやるわ!!!」
そう叫ぶと同時に氷属性の魔法を連発して打ち込んでくるが、冷静に避ける事が出来た
(・・・私を傷つけたくれた事により思考が幾分かマシになったな。)
円形の刃物で傷つけられた事により、逆に冷静さを取り戻す事が出来た
だが、相変わらずスキルの効果は発動されている為、いつまた破壊衝動に襲われるか分からない
そんな不安を抱きながら避け続ける私に対して、フレストは冷静さをまた欠き始めた様だ
「くそぉ!!!何故だ!!!何故俺様の至高の魔法が悉く避けられ続けるのだ?!!!」
「・・・素早い獣人に、手負いの天使族が当てられる訳が無いだろう。」
「う、五月蠅い!!!俺様は選ばれた存在だ!!!特別なんだ!!!獣人如きに舐められる訳がないんだぁーーー!!!」
そう叫ぶフレストに向かって思い切りジャンプする
「・・・先程の男もそう言っていたが、貴公らはそう特別なものでもないぞ?」
「・・・へ?」
ーーードゴォーーーーーーーーンーーー
スキルのお陰でフレストの眼前まで跳躍出来、そのまま腹部を蹴り一緒に地面に落ちる
フレストの両腕を足で押さえつけて刃物を突き付ける
「・・・最後に教えてやろう。私の罪はな・・・【魔王】殺しだ。【魔王】を殺した事により【支配者ノ猛毒】というスキルを得たのだよ。」
ーーープシャーーーーーアーーーー
そう言うと同時に何かを言いかけたフレストの首を刈ると同時に首は飛び、首部分から血は吹き出し、身体は未だビクビクと痙攣していた
「さて・・・」
いつも通り戦場で敵の命を散らしただけだ・・・
そう頭を切り替え、姫様の元へ私は駆けだした
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