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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
222/640

バルデインの変異と変身


(不味い・・・な。)


わき腹の傷は思ったより深い様で少し体を捻るだけでも痛みが身体中に駆け巡る

双剣で戦うセオリーとして素早く動ける様にする事は当然とも言える

例に漏れず、私も軽鎧を装備し、腹部の辺りは防御力が無いに等しい


「獣人は素早さと攻撃力が売りなんだろうが?!!もっと動けよ鈍間が!!!」


そう言って嘲るフレストの言う通り獣人は素早さと攻撃力に秀でている反面、魔力量の少なさと防御力の弱さが他種族と比べて劣っている

そんな獣人が激痛により素早さと攻撃力を奪われたならば、ある意味では絶望的だ

だが・・・


「獣人である私よりも早く動けるのだ・・・」


天使族とは魔力に突出しており、全てに秀でてはいるものの突出した特徴が無い種族と言われている

少なくとも獣人の中でもかなり高位の素早さを持つ私と同じ素早さを持っている事に違和感を感じた

そんな私の独り言を聞き耳をたてていたのか、ニヤついて嘲る


「んなもん言う訳無いだろうが!!単純にお前が鈍間なだけなんだよ!!!おいおい、もしかしてこれで騎士団長様とやらは終わりじゃねぇだろ?!!お前程度なら天使族にも腐る程いるぞ!!」


・・・安い挑発だが、今奴は『言う訳が無い』と言った

詰まりは純粋は素早さではなく・・・


「魔法、か・・・」


レイス族は相手を弱体化させる事が得意な種族だ

だが私自身、戦う前と比べて体が重くなったり思考が定まらなかったり等はしていない

にも拘らず私よりも素早い理由としては1つしかない


「自分自身を強化する魔法だな・・・」


私の推測が当たっていたのか、フレストはまた右眉をピクリと動かす

どうやら苛ついたり、動揺すると右眉が上がるみたいだな等と観察していると大声を張り上げて否定してくる


「は、はっ!!馬鹿か!!自分が鈍間なのを棚に上げて何ほざいてんだ?!!俺様は四武筆頭だぞ?!そんな姑息な真似なんぞせずともお前程度の雑魚は余裕なんだよ!!」


「・・・姑息な真似の何が悪い?」


「・・・は?」


私にはコイツの言う事が今一つ理解できずに思わず聞き返すと、意外にも呆けた表情を浮かべる


「姑息な真似の何が悪い?戦場とは姑息だろうが何だろうが勝者が絶対だ。勝つ為に策を講じ戦う事を卑怯とは言わん。」


「う、五月蠅い五月蠅い!!天使族は崇高な存在なのだ!!絶対的な最強の種族なのだ!!姑息な真似をせずとも他種族に劣る訳も無いのだ!!!」


どうやら天使族とはプライドが異常に高い様だ

だが、高すぎるプライドが姑息な真似を許さず隠す様な生き方となっている

それはある意味で哀れだとも感じてしまう


「隠す・・・か。相手に認識されずに攻撃を行う・・・貴様、暗器使いだな?」


そう言葉を投げかけると、また右眉をピクピクピクと動かし、目に見えて動揺する

『暗器使い』とは相手に見えぬ様に主に死角を利用し隠し持った武器で戦う攻撃方法だ

だがその戦い方でも分かる様に本来であれば暗殺等に向いており、間違っても戦場に駆り出す様な戦い方ではない


「お、俺様が、あ、暗器使いだと・・・?!こ、姑息で・・・ひ、卑怯な暗器使いだと・・・愚弄するのか?!!」


「暗器使いだろうが何だろうが、()()()()()()()()()()。」


「お前のその言葉は反転すれば日常では卑怯だと言っている事と同義だ!!!お、俺は・・・卑怯者などでは・・・」


明らかに狼狽え、動揺している()を無視し、腰に掛けていたポーチから回復薬を取り出し一気に飲み干す

身体の痛みが引き、体力が回復した事を確認した後、暫し思案し・・・スキルを発動させた

その瞬間、身体全体が自分ではない感覚に襲われ、強烈な破壊衝動が私の心を蝕む


「お、お前?!!何だ?!!何をした!!!」


動揺していた敵も突然変異した空気で我に返ったのだろう・・・

だが、このスキルが発動したなら・・・もう遅い


「スキルを発動した。これはな・・・私の罪の証、だ・・・」


辛うじてそう告げるので精いっぱいだった


いつも有難う御座います!!

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