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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
217/640

クロノの共感と境界


「キャハハハハ!!!」


【宝珠】で声を拡声しているのか軽薄な女の声が戦場に響き渡る

魔法弾を放たれたラザアルは倒れた状態から首だけをアンギスへ向けている様子を見る限り辛うじてではあるが生きている様だ


「なぜだ・・・何故だーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


ラザアルの拡声されていない地声が此処まで聞こえた

その声に答える様に笑っていた女性の声が再度聞こえた


「キャハハ!!無様ねラザアル。同じ四武だったと思えない位に無様・・・そんなアンタが四武で居る事に耐えられないの。悪いけど死んで頂戴?」


「私は・・・私は【魔王】様に!!【魔王】アズレア様に忠誠を誓った四武だぞーーー?!!!」


「その【魔王】様からのアンタへ伝言よ。『無能な四武は四武に非ず。見苦しく死んで逝くのが最後の忠誠だと思え。』でっすて!!」


「おぉ・・・おぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!」


「さて、と。【魔王】様のご指示の通り見苦しく死んで逝って・・・ね!!!」


そう言うが否やラザアルに先程よりも更に強大な魔法弾を打ち込む出した


「ちくしょぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」




ーーードゴォーーーーーーーーンーーーー



「キャハハハハハハハハハ!!死んじゃった?!もう死んじゃったの?!!!」


激しい衝撃音が鳴り響き、女の声が五月蠅い位に戦場に響き渡る

その笑い声を遮る様に僕も【宝珠】で声を拡声させて言葉を紡いだ


「羽虫の、矮小にも劣る、魔法など、我の敵ともなり得ぬ・・・」


「は?」


「き、貴様・・・何故・・・?」


相手が放ってきた魔法弾と土煙を纏めて【暴喰ノ口】で喰らうと後方にいるラザアルは疑問の言葉を投げかけてきた


(ギリギリだったな・・・)


相手が魔法弾を放つ直前に魔力の高まりを感じ、ラザアルの元へ駆けつけて【暴喰ノ口】を発動させ、魔法弾を喰った


「き、貴様っ!!何故だ?!!何故私を助けた?!!憐れんだか?!同情したか?!!私は・・・生きる意味など・・・もう無い!!何故だ?!!!」


・・・何故助けたか?

その答えは正直、僕自身も分からない

ルーシャやファーニャを貶め、傲岸不遜でつい先程まで明らかな敵だった・・・

こいつを助けるメリットは正直、僕には1つも無いと断言できる


(でも・・・)


多分・・・僕はこいつと僕自身が重なったのだ


仲間だと思っていた者に裏切られた


仲間だと信じていた者に殺されかけた


仲間だと疑いもしなかった者に嘲られた


仲間だと・・・無能と・・・


この感情は憐憫でもあるし、同情でもある

けれど一番強い気持ちは共感だ

この気持ちを言葉にするのは非常に難しい・・・だから


「些事故、気に病む必要は、無い・・・」


ラザアルに視線を向ける事もせずに僕はそう呟き、相手の軍隊を睨みつけた

すると前方に魔力が高い天使族3人が目に映る


「な、なにアイツ・・・私の魔法弾が消えたわよ?!!」


そう言って叫ぶのは金髪でツインテールと呼ばれる髪型をした10代前半の容姿をした少女


「興味深いですね・・・あれが敵の【魔王】と言う訳ですか・・・」


そう言ったのはやせ型で銀髪の髪をし、眼鏡をかけている20代半ばの男


「そんな事より、今アイツ、私にガン飛ばしてるよな?!なぁ飛ばしてるよな?!!」


声が拡声されている状態にも拘らず大声で怒鳴っているのはオレンジの髪を短く切った野性的な風貌をした20代前半の女の3人だった


僕はその3人に向かって威圧感を込めて少しずつ歩みを進める


「ま、待てっ!!些事とは!!なぁ!!」


後ろからそんな声が聞こえるがそれすらも無視する

飽くまで僕の感情のまま、僕の都合でこいつを助けたに過ぎない

僕の面前にはあの日のローエルやヴァリア、ライアの様に見える()()()()しか目に映る事は無かった・・・



いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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