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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
216/640

クロノの行進と方針


「あ・・・あぁ・・・あ・・・ゆ、めだ・・・これ・・・は・・・ゆめ・・・」


僕等は今、ラザアルの先導で天使族の【魔王】の元へ向かっている

ラザアルが気絶してから捕縛した兵士に【魔王】の場所を確認すると、国境から僅か数時間程度の距離にある城に駐屯しているとの事だった


その兵士に案内させようか迷ったが・・・相手国の四武が捕虜にされている事実を見せつければ相手に動揺を与える事が出来るかもしれないと思い、無理やりラザアルに案内させている


そのラザアルと言えば、腰に鎖を付けられ逃げ出さない様にしている

何とか両足は健在だが両腕、両翼が無い為に逃げだす事は出来ない

プライドを粉砕された故は歩きながらも自我が壊れたかの様にブツブツと呟きながら歩いている


因みに残りの兵士は、騎士団を30残して見張りを付けて置いた

四武があれ位の実力であれば余程の事が無い限り大丈夫だろうとバルデインが進言してきたのでそれを受け入れた形だ


「旦那様、恐らくあそこに見えます城に彼の【魔王】が居る様ですわ。」


ファーニャにそう言われて前方を見ると・・・成程、朧げだがそれなりに大きな建造物が薄っすらと見え、その建造物の前には複数の魔力が感知できる


「羽虫共が、群れ集って、おる・・・」


「えぇ、それに他と比べると若干魔力が高い反応が・・・3つありますね。恐らくあれが四武なのでしょう。」


ファーニャの言う通り、魔力が多数ある中で幾つか強い魔力を感じる

だが魔力だけで強さが決まる訳ではない


「蹂躙、出来ぬか・・・?」


そう尋ねると彼女は「ふふっ」と微笑み人差し指を立てる


「旦那様、あの程度でしたら些事ですよ?」


「・・・是。」


・・・駄目だ、此処は戦場だ

そう自分を心で諫めて前方に視線を置く


「鳥籠内に、羽虫は、蠢いているか?」


「鳥籠・・・あぁ城内ですね、少々お待ち下さい。」


そう言ってルーシャは目を閉じ精神を集中させる


「・・・いますね。数にして凡そ数百という所でしょうか?ですが魔力の高い者は・・・恐らく城内ですかね?その中心部にいる【魔王】だけで、他は・・・かなり弱いですね。我々の敵には成り得ないかと。」


「其等は、正面の羽虫を蹂躙し、我と羽虫の王との、邪魔をさせるでない。」


「畏まりました。それでは前方兵士及び四武とかいう痴れ者はこちらで料理しておきましょう。・・・バルデイン殿、ルーシャもそれで良いわね?」


ファーニャが後ろを向いて2人に確認するとどちらも頷く


「ルーシャ・・・其は「【魔王】様大丈夫ですよ。私は戦闘職ではありませんので自ら前線に立つ事は致しません。」」


その言葉を聞いて少しだけホッとする

彼女は戦闘職ではない・・・

本音はこんな戦争の起こる場所に来てほしくなかった

そんな僕の感情を読み取ったのはルーシャは「ただ」と言葉を続ける


「戦争は何も戦闘職だけのモノではない、という事をアンギスには見せつけようと思います。」


「・・・危うければ、脱兎する事を、許す。」


「えぇ、私は弱いですから。自らを弱いと自認する私なりに戦ってまいります。」


そう言ってこちらに微笑みかけてきた

その横でバルデインは厳しい表情で前方を睨みながらこちらに声を掛けてくる


「【魔王】様、前方約1キロ先にて相手国が軍を敷いております。」


「止めよ。」


「全軍停止っ!!!!」


僕が声掛けると同時にバルデインの声が響き渡り、相手国と一定の距離を開けて全軍が停止する


「紐に付けた、羽虫を、放て。」


そう言うと同時にラザアルにつけられていた鎖を解いて解放する

当の本人は虚ろな目でこちらを見つめてくる


「貴様との一騎打ちでの約定は今成された。さっさとあちら陣営に戻るが良い!!!」


僕の代わりにバルデインがそう叫ぶと怯えた表情で相手国側へフラフラと走り出す


「・・・良かったのですか?戦争なのですからあのまま殺しても良かったのですよ?」


「我は、約定は、反故にせぬ・・・」




ドゴオーーーーーーーーーーーーンーーーーーーーーー




僕がバルデインにそう答えた瞬間、前方で走っているラザアルに向けて大きな火の玉の様な魔法が放たれ・・・ラザアルに命中した


いつも有難う御座います!!

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