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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
213/640

クロノの雑兵の総評


「厚顔無恥な他国の【魔王】よ、貴様如きが我が国を属国にしようと言うのか・・・?」


その言葉が響き渡ると同時に1人の天使族と思わしき美丈夫が姿を現す

銀色の髪を腰部分まで伸ばし、肌は白いというより限りなく透明に近い色をしている

一見すると女性かと思われる様な顔だちをしているが、筋肉の付き方で男だと判断できる


「答えよ【魔王】、たかだか光の矢を退けた程度で属国?滅亡?荒唐無稽にも程がある。」


そう言いながら見下した様な視線を投げかける

僕はその言葉を無視して、再度【暴喰ノ口】は発動させる

無数の触手はシャーーンという風音を鳴り響かせながら四方八方に伸びていく


「「なっ?!」」


「何故この場所が?!!」


数十秒後には目の前に姿を現した男以外、この草原に居るであろう天使族の兵士全てを捕縛した


「・・・貴様。」


「自惚れるな、天使族・・・其等如きが、我が属国と、成り得るのだ・・・」


そう答えると射殺さんとばかりの視線を投げかけてくる

捕縛した天使族たちは必死に触手を振りほどこうと試みているが、やはり鬼人族程の腕力は無いらしく足搔いてはいるが抜け出せていない

その様子を眺めながらそう告げる

すると歯を食いしばりながら手に持っていた鎗に魔力を込めだした


「厚顔無恥なだけでなく無知でもあるのか・・・私は【天聖国アンギス】の四武の1人ラザアル様だ!!」


そう叫ぶと同時に一気にこちらへ接近し槍で付いて来た!!

が、その攻撃を難なく躱す


(遅いな・・・)


自分から四武だなんだと名乗っていたのだから強いのかと警戒していたが・・・物理攻撃に関してはクロノスの騎士団に入隊できるかどうかというレベルだ


「よく避けた!!だがこれはどうだ?!レインスピアッ!!」


どうやらスキルを発動させたらしく、数十の突撃を繰り出してくるが・・・遅い

突撃と突撃の隙間を狙い腹部に拳を打ち込む


「グボォッッッ?!!!」


一撃で身体をくの字に曲げ、苦悶の表情を浮かべて後退する

攻撃力と素早さは獣人以下で防御力は鬼人以下な事を顧みると、奴は僕にとっては敵となり得ないな・・・

そんな事を考えているとラザアルは腹部を抑えながらこちらに大声で言葉を投げかけてくる


「きっ、貴様?!!私のスキルを避けるとは・・・魔法に特化した【魔王】ではないのか?!!」


「・・・・・・」


僕はその言葉を無視してバルデインの方へ視線を向ける


「・・・其は、彼の敵を脅威と、思考するか?」


「客観的に考えまして、こやつは【魔王】様は疎か、私や我が騎士団長クラスに勝つ事自体あり得ないでしょう。」


「?!!!・・・雑兵が、私を侮辱するのか?!!」


バルデインの言葉を聞いてラザアルは激昂するが、僕自身も同意見だ

このまま叩き潰し、捕縛している天使族を【暴喰ノ口】に喰わせる事自体は簡単だ

侵攻したのは僕等だから筋違いかもしれないが・・・出来るだけ犠牲者は増やしたくない

どうやって行けば平和的?に解決できるだろうと思案しているとバルデインが前に出てきてラザアルに向かって口を開く


「私は【黒家クロノス】の騎士団長を拝するバルデインだ!!!【魔王】様のご慈悲により貴様と一騎打ちを行ってやろう。貴様が私に勝てばクロノスは即座に退却する事をここに誓う!!だが、貴様が私に負ければ・・・この国の【魔王】の所まで案内して貰うぞ!!」


そう言って片手剣2本を両手で構える


「バルデイン・・・」


そう声を掛けると、目線をこちらに向けずに小声で返答してくる


「雑兵一匹に【魔王】様の手を煩わせる事も御座いません。私が手っ取り早く首都に出向ける様に取り計らいましょう」


多分、バルデインは僕の矛盾した希望を察してくれたのだろう

僕が今此処で奴を倒したとしても知らぬ存ぜぬを貫き通せばこの国の【魔王】へ辿り着くには時間を浪費してしまう


だが、同格での一騎打ちでの勝敗であれば話は別だ

雑兵同士が謳っても信頼に足らないが、敵味方の証人が多数いる中でのこの条件は非常に効果的だ


バルデインの機転にただただ感心してしまった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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