クロノの嗜好と思考
Ⅱ章開始です。
今回は少し短いです
Ⅱ章を試験的に毎日更新してみます!!
是非ともご愛顧ください!!
穏やかな気候
視界一面の花畑
透き通る様な美しい青空
そんな天国の様な場所に白くて丸いテーブルを挟み、僕は男性と向かい合って椅子に腰を掛けてた
「どうしたんだい?この飲み物は口に合わなかったかな?」
三十歳前後に見える銀髪金目の男性が不安そうに僕にそう尋ねる
「あぁ、いえ、景色を眺めているとここは天国かなぁ〜等と考えておりまして…」
そう言いながら差し出された飲み物に口をつける
(美味しい…)
どう考えても今まで僕が飲んできた飲み物の中では断然1番美味しい飲み物だ
「すごく美味しいです。今まで僕が飲んでいた飲み物は飲み物だったのか?と疑問に思ってしまう位に美味しいです。」
僕がそう伝えると彼はニッコリと笑い
「それは良かった。」と返答してくれる
優しそうな雰囲気を醸し出した彼に礼を告げる
「あの…僕を助けて頂いて本当に有難う御座いました。あのままだと死んでたと思います…」
僕がそう告げると彼は少し悲しそうな表情をしてカップを置く
少しの沈黙が続いた後、おもむろに口を開いた
「君は…私が君を助けたと考えているみたいだが、残念ながら君を救う事が出来なかったよ。」
「え?」
いや、僕はいま生きている
意識もしっかりしているし身体が動かないなんてこともない
寧ろ身体的には調子が良いくらいだ
「正しく言うならば、『人族としての君を救う事が出来なかった』という事だよ。君は仲間に裏切られて殺されて死んだ。それは間違いない…なら今どうして君が此処にいるかだが…」
そう言って少し躊躇った後に言葉を続ける
「君を魔族として生き返らせた。」
その言葉に衝撃が走る
「ぼ、僕は魔族になったんですか?!」
思わず椅子から立ち上がって彼に問いただす
「そうだ…人族だった君はもういない。見かけこそ変わらないが、今の君は明らかに魔族だ。君自身、身体の調子が良いと感じないかね?」
「はい…確かに身体の調子は良いですし、思考もはっきりしています。でも自分が魔族になったという実感もないです。」
僕がそう言うと頷きながら返答をしてくれる
「それはそうだろう。魔族になったと言われて納得する人間等そうはいないだろうからね。…もし、君が人族としての誇りがある故に許しがたいという事であれば…私が責任を持って今殺してあげよう。」
その言葉を聞いて力なく椅子にもたれかかる
人族ではなくなった
それ自体は未だに信じられない
人族としての誇り…そんなモノを感じた事も誇った事もない
僕が死にたいなら今此処で殺す…正直、死にたいとも思っていない
頭で色々と思考するがどれも死にたいとは思わない回答に導く
「……どうして僕を助けてくれたのですか?」
色々と考えて分からなかった疑問
僕の記憶が間違いでなければこの男性は【真祖】だ
死んでいた僕を見つけたならそのまま放っておくことだって出来る
神と同一視される様な存在が僕如きを魔族にしてまで助ける理由が分からなかった
「なに…気まぐれだよ。」
そう言いながらカップに口をつける
「強いて言うならば、君は『私の期待に応えて歯向かってきた』それが理由だよ。」
彼に倣い、僕もカップに口をつける
やはり美味しい
(これはやはり生きているからこそなんだろうな…)そう感じたから
「それでも…僕を生き返らせて頂き、本当に有難う御座います。」
心をこめて彼に伝えた
10月1日からスタートさせて誰も読んで貰えなかったら辛いなぁ…と考えて投稿しましたが
何人もの方に読んで貰えて嬉しいです。
本当に有難う御座います。
Ⅱ章も頑張って進めていきます!!
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