クロノの来報と来訪
「「「【魔神】?!」」」
僕の宣言を受け、場は騒然とする
「クロノ様・・・【魔神】になられるという事は、人族と戦争しながら別の魔族領の国とも戦争を起こすという事でしょうか?」
「最悪の場合だけどね。」
「我が盟主・・・それは少々無理があるのでは?数も質も分散されてしまい最悪の場合挟撃に合ってしまいます。」
「それに関しては考えてあるよ。」
「お兄さん・・・まさかだと思うけど・・・」
「うん、魔族領の国には僕1人で向かうよ。皆には人族領を警戒して貰いたいんだ。」
「旦那様それでは危険です!!!到底容認できません!!」
「でも【魔王】である君たちを連れて行って君たちの誰かが【魔王】を討ってしまうと僕は【魔神】になる事は出来なくなってしまう・・・近い将来に【魔神】と相対するのだから僕も【魔神】になる必要があると思うんだ。」
「であれば我々騎士団を護衛に!!」
「宣戦布告を受けた人族がいつ、どこからか攻め込んでくるかもしれない状況で戦力である騎士団を割く事は出来ない。」
「クロノ様・・・であれば魔族領に攻められる時期を遅らせる事は難しいのでしょうか?」
「無理では無いけど・・・避けたいな。相手は個体差では僕らに劣るけれども数は圧倒的に上だ。それに・・・戦争になればなるほど各国の【勇者】や【剣聖】等の上位職複数と戦う事になるだろう。そうなる前に僕自身を【魔神】にして、味方を増やしておきたい。」
「・・・・・・可能であれば時期をずらして頂きたいのですが、決意は固い様ですね。」
「ごめんね・・・でもちゃんと可能性が高そうな国を選ぶからさ。」
そう答えるとルーシャが大臣たちの方へ視線を向ける
「大至急、近隣諸国のデータを纏めてください!!【魔王】の情報、戦力は勿論、兵士の質や噂何でも結構ですのでそれらを統合してください。この場に出席している【魔王】の国に隣接している事が条件です!!」
「「はっ!!」」
僕の宰相であるルーシャの指示に従い、大臣たちは大急ぎで会議室を出て行く
「マリトナ~、あの大臣たちに付いて行って僕らが得ている情報を渡してあげてよ。」
ロキフェルはそう言って後方に控えているマリトナに視線を投げる
「ロキフェル様・・・畏まりました。」
そう言って恭しくロキフェルに一礼し彼女も会議室を出て行った
「じゃあ話を戻すけど、人族に対して正式に宣戦布告する名称は【魔神連合】で良いかな?」
そう言って周りを見渡すと全員が頷いた
「じゃあ先ずは人族に対して宣戦布告を宣言し、同時に魔族領に近接している国々に対して書簡を投げ入れて念押しを。その間に僕が向かう国を精査して貰うという手筈で行こうか。」
そう言って大筋が決まり、各国の状況を話し合った
説明を聞く限りはかなり全体的にも食糧問題や国民の暮らしは改善されている様に思える
「じゃあ今度視察しないとね。」
会議の報告と現場はどうしても乖離する部分がある
その為に自分で確かめる必要があると皆に説明すると、何故かサラエラが特に喜んでいた
そんなこんなで会議をしていると突然扉が開き、先程出て行った大臣の1人が慌てた様子で室内に入って来た
「ま、【魔王】様!!!客人が来ております!!!」
「・・・客人?僕には魔族領で客人と呼べる様な知り合いはいなけれど。」
「そ、それが・・・相手は・・・【魔海皇国ポセイドニス】のま、【魔王】です!!!」
「他国の【魔王】?!!!」
その言葉に全員が驚愕の表情を浮かべる
「ど、どうやってここまで何処からも報告がなく辿り着いたのですか?!!」
「相手の規模は?!!」
「進軍か?!!!」
全員が大臣に向かって矢継ぎ早に質問する
だが大臣自身も当然理解が出来ていない様子でオロオロしている
「兵力は分かりませんが・・・訪れてきたのは【魔王】のみです!!!」
「「1人?!!」」
たった1人で敵国の本拠地に現れたと聞いて僕を含めた全員がさらに驚いてしまった
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