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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅹ章【クロイセカイ】
202/640

クロノの衝撃と驚撃

扉の向こうの声の主はバルデインだった


「バルデイン・・・」


ボソッと呟いたので彼には聞こえていないだろう

それでも彼は言葉を続ける


「クロノ様・・・お聞きになって頂けておりますか?いや・・・お聞きになっておられなくとも構いません。これは騎士団長としての報告と独白だとお思い下さい。」


「・・・・・・」


「まずは現況の報告です。魔族領と人族領の国境付近に偵察を走らせました。どうやら人族は我が国の宣戦布告に対して抗戦の意志で以って動いてくる様です。・・・また、それにより【勇者】の投入が予想されます。」


・・・人族に対して宣戦布告を行えば【勇者】を投入してくるのはごく自然な事だ


「ただ人族領には複数の国が有り、連携を取る為に直ぐに動き出すという気配はないとの事です。」


確かに人族の国だけでも30国程ある為に足並みを揃えるとなると直ぐには動けないだろう・・・


「対して【黒家クロノス】としてクロノ様が宣戦布告した事により、友軍としては【遊戯国トリクトリロ】、【妖精霊国インフォニア】、【鬼人国ソウトウキ】の3ヶ国がクロノス傘下として参戦を表明しております。」


そっか・・・

そんな状況なのに宣戦布告をした僕がこんな状況じゃ・・・ハハッ・・・申し訳ないじゃ済まないな・・・


「現況の報告は以上です。・・・今からお伝えする事は・・・・・・独白です。お聞きにならずとも構いません。」


バルデインはそう言った後、優に1分は無言だったと思う

彼の独白がどの様なものなのか想像は出来ないけれど、決して軽いものではない事は理解できた


「今から・・・お伝えする事は・・・ルーシャ様も・・・グーガも知りませんでした。・・・私は死んでも誰かに伝える気は有りませんでした・・・」


「・・・・・・」


その言葉に重みが掛かる

バルデインは忠義に厚く、寡黙ながら真面目で、武勇も優れた騎士だ

そんな彼が何を独白するのだろうか・・・

ふとそう思うと同時に彼の声が聞こえた






































「・・・【黒家クロノス】の前身、【獣王国サンドラ】の【魔王】・・・サンドラ=アーガランドを殺害したのは・・・私です。」





















・・・・・・え???





何を・・・言っているのだろうか・・・?





ルーシャの父親で






魔族領では絶対の力を誇る【魔王】、を・・・






忠義に厚く





寡黙ながら真面目で





部下からの人望も厚い




武勇に優れる




バルデインが・・・?




頭が追い付かない




一瞬、姉さんや父さん、ルーシャ達の事すら忘れる位に・・・衝撃的だった・・・

混乱する僕に声は容赦なく続く





「再度申します。【獣王国サンドラ】の【魔王】を殺したのは私です・・・続けますが此処からは私の勝手な独白となります。クロノ様がお聞きになっており処罰を命ぜられるのならば喜んで受けましょう。・・・サンドラ=アーガランドは、国としても良い【魔王】とは言い難い【魔王】でした。そして父親としては・・・最低な父親でした。」


「・・・・・・」


「当初、私の忠義は【獣王国サンドラ】に存在しました。国の為にこの命を惜しいと思った事は1度として有りません。それは、私がこの国の騎士だからです。ですが・・・騎士でないものにそれを強要する【魔王】を果たして良い【魔王】と言えるでしょうか?・・・私はそうは思えませんでした。」


彼の声自体は決して大きいものではなかった

けれども扉の向こうからでもしっかりと聞こえる声だ


「・・・【魔王】サンドラは、獣人特有の非常に好戦的な【魔王】でした。ある日、彼の【魔王】は【遊戯国トリクトリロ】に進軍を行い・・・苦戦し、撤退し・・・逆に反撃を受ける事になりました。・・・その際・・・彼の【魔王】は・・・トリクトリロからの攻勢の時間稼ぎとして・・・時間稼ぎとして・・・村を1つ犠牲にしたのです!!!」


最後の方には叫び声にも似た絞り出した声だった・・・

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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