アカノの襲撃と反撃
『小娘ぇ・・・』
私の挑発は赤龍の誇りを傷つけた様だ
先程の不遜な口調とは打って変わり、憎しみを込めた感情を混ぜ込んで私を呼んでいる
(わざわざ殺気を込めなくても充分怖いんだけどね・・・)
先程から止まらない武者震いを必死にかき消そうとしながら赤龍の視線を受け止める
『ならばこのスキルですっ飛ばされるが良い・・・【龍震】!!!』
先程べべが放った【龍震】は彼自身、魔力を練る必要があったにも拘らず、赤龍が放った【龍震】はほぼノータイムで放たれた
(しかも威力も速度も段違いだな)
べべが放った【龍震】よりも明らかに速くこちらに襲い掛かって来る衝撃波を見ながら私は【赤炎】を鞘に納める
『ガハハハハ!!どうした小娘?!龍族の固有スキルの前では打つ手無しか?!!』
「アカのん?!!」
赤龍の笑い声とカラミトルの声が微かに聞こえるが、私はその声を無視して半身の体勢で衝撃波を待った
ーーーゴゥーーンーーー
「はっ!!!!」
ーーーガアァァーーーーーンーーー
『なっ?!!!』
「う、嘘・・・?き、斬っちゃった・・・」
衝撃波が迫り来る直前、鞘から【赤炎】を引き抜いて【龍震】を斬る
攻撃力、素早さ、【赤炎】とのエンチャントによる斬撃は【龍震】を断ち切る事に成功した
「どうしました?気がふれた人族の女1人に何を苦戦しているのですか?」
私は【赤炎】を振るい、切っ先を赤龍に向けながら再度挑発する
そうすると赤龍は「ググググギグギギギギ・・・」と歯ぎしりをしながらこちらを睨みつけてきた
(【龍王】だけあって、挑発され慣れていないな・・・)
『この儂を前に何処までも調子に乗りおるわ!!お主にはどうも出来ない【獄炎】と【黒炎】でじわじわ死ぬるか塵にもならず死ぬるか好きな方を選ぶが良い!!!』
そう言うと同時に【獄炎】でこちらに仕掛けてくる
私はその攻撃を間一髪で躱しながら・・・【赤炎】の切っ先を【獄炎】の炎へ少しだけ触れさせる
「しまった?!!!」
『愚かめ!!!【獄炎】の炎は何であろうが決して消えぬ!!お主の武器も最早使い物にはならんぞ!!』
そう嘲る赤龍に対して私はニヤリと口角を上げる
そして・・・
「【飛炎斬】!!!」
【赤炎】からソニックブレイドショットよりも高火力で素早さも早い切札の1つでを、【赤炎】から移り火した【獄炎】の炎を乗せて赤龍に向かって発動させた
『?!!【黒炎】』
赤龍は【飛炎斬】に対して【黒炎】で対抗しようとするが・・・【飛炎斬】のスキルそのものは【黒炎】に押し負けるものの、【獄炎】の炎が【黒炎】に移り火し、赤龍へ襲い掛かっていく
赤龍は流石に意図に気づいたのか、【黒炎】を解除する・・・が!!
「【飛炎斬】っっっ!!!」
『グガァァァァァァーーーーーーーー!!!!!』
私は赤龍の胴のあたりまで近づき渾身のスキルを発動させた
赤龍は私のスキルと自身の【獄炎】の直撃を受けて体勢を崩すが、ここで手を休める訳にはいかなかった
「【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!」
「ガガガガッガガガガガガアアアアァァァァァッァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!!!」
「【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!」
「ギャガアガガガガガガガガガアアアァァァァァッァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!!!」
「【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!【飛炎斬】!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァッァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!!!」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
魔力がほぼ無くなり、片膝を付いた私の眼前には・・・
完全に意識を失い倒れ込んでいる赤龍がそこにいた
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