アカノの動揺と同調
「ど・・・や・・・て」
どうやって?と聞いているのだろう
まぁその疑問は当然だ
【禁呪】であっても属性は無視できない
それが理であり真理でもある
世界を凍らせる氷は水属性、天変地異を起こす地震は地属性、世界を焼くほどの稲妻は雷属性、地獄さながらの獄炎は火属性、世界で荒れ狂う竜巻は風属性・・・
それに加えて世界に生命に息吹を与える光属性に世界の死を司る闇属性、それらは魔法規模としては異常だけれども属性は決して無視できない
にも拘らず7属性付与した魔法が発動された
それは知識が膨大であればあるほど不可能だと知られている分かり切った事がひっくり返った瞬間なのだから
「そうね・・・少しだけ教えてあげる。各属性には相性が有るわよね?その相性同士を結合させてあげれば・・・ね?」
「だ・・・が・・・」
「多分光と闇属性の事でしょうけど・・・そこまで教えてあげる義理は無いわ。」
そう言って、今だ倒れている彼女を見下ろす
「さよなら、私を語った誰かさん・・・アナタはしっかりと私が貰い受けるわ。」
「・・・?!!!」
「最後にしっかりと見詰めなさい。私が創造した魔法・・・『オリジン=レインボ』をね!!」
そう言って彼女の頭上に私の魔法を発動させ・・・光線を放ちながら一斉に彼女に降りかかっていった
「あ・・・あ・・・あああーーーーーーーーーーーーー!!!」
彼女に降りかかる7色の光線を見つめながら思わず呟く
「貴女が致命的に間違えたのはね?今の私は極一部の人族の命は・・・魔法よりも重いと思っているって事よ?」
誰に伝える訳でも無く、私は自分に対してそう言葉にした
◇
◇
◇
「ロザンワ?!!!」
ロザンワは身体を大きく震わせた後、ゆっくりと目を開いた
その瞬間を見た私は無我夢中で彼女に近づいた
「・・・アカノ殿。」
「身体は?!身体は大丈夫なの?!!」
意識がある様で安心はしたけれど・・・不安は尽きない
「フフ・・・えぇ大丈夫ですよ。それに【禁呪】も無事に手に入れる事が出来ました。」
「【禁呪】は二の次なの!!私は貴女が心配なの!!・・・本当に大丈夫?」
「・・・有難う御座います。疲労が激しいだけで身体は何ともありませんよ。」
その言葉を聞いてホッとする
そんな私に対して後方から声がかかる
「女子共が無事で何よりだ。・・・小娘、次はお主の番じゃな。」
「・・・はい。」
「では、先程の闘技場へ戻るとするか。」
そう促され、ロザンワを置いて2人で部屋を出る
彼女はまだ消耗が激しく動けないとの事だった・・・
「まさか女子が龍に勝ち、【禁呪】を得るとは思わなんだぞ。・・・流石【勇者】という所か。」
「いえ・・・彼女たちは強いですよ。精神が【勇者】という称号が霞むほどには。」
「そうか・・・ならばお主も負けてはおられんのぉ?」
「えぇ勿論です。」
そんな雑談をしながら闘技場へ戻る
カラミトルとべべ、パパとピピは親交を温めていた
「アカのん!!ロザンっちは大丈夫だった~?」
カラミトルは不意に顔を上げてこちらに声を掛けてきた
それに応える様に手を挙げて笑いかけると安心した表情を浮かべる
そんな私たちを気にする事なく赤龍が闘技場に上がった為に、私もそれに追随した
(これは・・・)
闘技場に上がった瞬間、身体中に震えが走る
その震えの元は確認する間でも無く赤龍からであるのがアリアリと伝わって来る
「さて小娘・・・龍との契約とは強さと誇りが必要なのは先程伝えておるな?」
「・・・えぇ。」
「お主は誇りを捨てた同族を屠ってくれた。それ故に儂と表面的にではあるが契約をしてやったが・・・この『してやった』というのが曲者でな。」
「・・・えぇ分かります。私は貴方に強さと誇りを示さなければならないのですね?」
そう答えると同時に私は【赤炎】を鞘から引き抜いた
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