ロザンワの切欠と切先
「フフフ・・・私が気が狂った訳では無くて、貴女の気が狂っているのだと思うわ。」
そう言うとより一層怒りの表情を浮かべる
そんな彼女の表情や心情など無視して私は言葉を続ける
「【禁呪】が私の為に来世に適性を約束する・・・それを信じろというの?今まで【禁呪】に殺された生物は数限りないわ。その中には【勇者】もいたでしょうし・・・もっと魔法に適性を持つ称号を持った者がいた筈よ。にも拘らず今なお【禁呪】を扱える者は極々少数・・・それは何故かしら?」
そう説明しながら発動させたアイスエッジを彼女は難なく相殺させる
「それは【禁呪】は貴女を気に入ったからよ!!」
「そうは言われても【禁呪】と接触した事もない私は心当たり無いわ。知らないモノに気にかけられるのは・・・気持ち悪いわ。」
「貴女?!!【禁呪】を卑下するの?!!魔法の最高峰!!1つの極地点!!古代兵器と言われている魔法を馬鹿にするの?!!!」
彼女が発動させた魔法が私に襲い掛かってくる
けれど・・・彼女が動揺しているからか先程の様な威力がない
私は襲い掛かって来る魔法を難なく避けて反撃を繰り出しながら口を開く
「誤解しないでよ。【禁呪】が特別な魔法である事は病的な程、魔法に固執する私が理解できていない訳無いでしょう?でもその考え方が気持ち悪いの。それに・・・」
言葉を続けながら魔法を詠唱する
先程・・・彼女が私に選択を迫っている間に思考し精査し、構築した魔法だ
「・・・それに?」
「それに私ほどの魔法好きはね・・・存在する魔法だけじゃあ、もう満足できないの。」
「はぁ?貴女何を・・・あああああああああああーーーーー!!!!」
何かを尋ねようとしたもう1人の私は突然奇声を発して仰け反りながら倒れ込む
「フフフ・・・まるで死にかけの虫の様ね・・・」
私は彼女に近づきながら声を掛ける
・・・ダメ、口角が上がるのを抑えられない
「き、貴様・・・な、何をおおおおおおーーーーー!!!」
再度、私が放った魔法により仰け反りながら悶える
「あら?さっきまで貴女やもう1人の私と呼んでくれてたのに、貴様なんて・・・悲しいわ。」
私自身、彼女に嬲られた事もあり、身体も魔力も疲労困憊ではあるけれど、彼女の痛みを感じている姿や動揺している表情を見る事が出来るのは心地いい
「何も分かっていないのね?そうね、まずは・・・貴女はもう1人の私と言っていたけど貴女は過去の記憶から具現化されただけの私よね?」
「?!!」
「貴女の思考は私と同一されていたけど・・・ただ一点だけが決定的に違っていたから直ぐに分かったわ。その事に気づかなければ貴女の誘いに乗っていたでしょうから・・・助かったわ。」
「・・・決定的に違う、事?」
息も絶え絶えという様な様子で視線だけをこちら向ける
「まぁ、そこは良いわ。兎も角そこから私は考えたの、過去の記憶では思いも付かなかった事を実行しなければ勝てない・・・何故なら【禁呪】からの付与かは分からないけど、確実に貴女は過去の私よりも強いのだから。・・・ならば今すぐに強くなるにはどうすれば良い?」
「・・・・・・」
「そこで私は考えに考え抜いた結果・・・1つの結論に辿り着いたわ。」
「それが・・・今の・・・」
「えぇ、病的な程の魔法狂いでないと思いつかない手段・・・新たな魔法の創造よ。しかも・・・7属性付与した魔法よ。」
私がそう伝えた瞬間、彼女の目が大きくに開かれる
それはそうでしょうね・・・魔法を知っている者なら誰でも知っている
魔法には相性が有る
火は水と地には相性が悪いが、雷と風には相性が良いという様な具合だ
それを逸脱した魔法は発動しないか、暴走を起こして術者を傷つける事は周知の事実だ
「不・・可能・・・」
「いいえ不可能なんかではないわ。何故なら・・・さっき私が発動させたのだから。」
頑なに否定したがる彼女に対し、私はそうハッキリと断言した
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