アカノの生命と説明
私が赤龍に対して放ったその言葉で赤龍の眷属は一斉に飛び掛かろうとするが、
「止めい。」
そう言って眷属を止めたのは意外にも赤龍本人だった
「・・・小娘、先程の言を取り消し、横の女子を2人とも差し出せば無かった事にしてやるぞ?」
「まだ寝言を言っているのか?取り消す気も無ければ差し出す気も無い。」
「そうか。・・・くっくっくっ・・・ガッハッハッハッ!!!」
1人?で納得したかと思えば突如大声で笑い出す
「小娘、相も変わらず猪突猛進な所は変わっておらんのぉ~!!!愉快愉快っ!!」
「お、親方様・・・?」
先程と打って変わった表情に眷属にも動揺が走る
「気にするな、余興じゃ。お前らは外で待機しておれ。」
そう言いながら赤龍はそんな眷属たちに対し手で出て行けとジェスチャーをすると、彼らは渋々と部屋の外へ出て行った
「さて、小娘・・・先程は申し訳なかったのぉ。許せ。」
そう言って頭を下げてくる
私は試された気持ちになり、どうしてもムスっとした表情のまま言葉を返す事が出来ない
仮にも仲間の命を差し出せと言われたのだ
軽々と許容する事がどうしてもできなかった
「女子たちよ、龍族領に赴いて早々怖い思いをさせたな・・・儂が軽はずみだった、許せ。」
そう言ってカラミトルとロザンワに対しても頭を下げる
「せ、赤龍様、頭を上げてください!!!」
「大丈夫だよ~、何もされてないから気にしないよ~!!」
それを受けて2人は頭を横に振りながら動揺している
2人の言葉を受けて赤龍は頭を上げ口を開く
「うむ・・・だがそれは飽くまで結果論じゃ。もし小娘が儂の言葉に沿って其方らの命を差し出す事を返答したならば、儂は3人共纏めて始末し、国を滅ぼしておったよ。」
その言葉に私は勿論、2人も驚愕の表情を浮かべる
「儂ら龍族は強さと同じ位に誇りも大事にする種族じゃ。気高さや尊厳とでも言った方が良いかのぉ・・・以前に会った小娘にはそれを感じ取り契約したが、人族は数年で心持が変わる種族じゃろ?気高さや尊厳を失くしていないかを確認したかったのじゃ・・・いや、本当に済まんかった、許せ。」
そう言って再度頭を下げてくる
流石の私も仲間が許すと言っており、他種族の王に何度も頭を下げさせて許さない訳にはいかない
「・・・分かったわ。こちらも龍族の王に頭を下げさせて悪かったわね。ここから仕切り直しという事で本題に入っていいかしら?」
そう言うと赤龍はコチラに顔を向けてニカッと笑う
「そうじゃな、先程の侘びもある。出来る事は手助けすると前以って伝えておこう。」
そう言った赤龍の表情は以前会ったのは龍であったにも拘らず同一人物だとやっと確信する事が出来た
◇
◇
「成程のぉ・・・魔族の連合国が人族に対して宣戦布告、か。」
「えぇ、発端は人族側からとは言っても人族全ての絶滅を容認する事は流石に出来ないわ。」
「まぁそれは道理じゃろう。で?龍族に対し人族の味方になれと言うのか?」
「味方になって頂けるのですか?!!」
赤龍の言葉にロザンワは身を乗り出して質問を返す
その言葉に彼は首を横に振る
「流石にそれは無理じゃ。大きく分けて理由は2つ、1つは龍族は強さと誇りを何よりも尊ぶ。儂らの基準で人族全体がそれに達しておらん・・・であれば眷属たちは流石に反対するからの。そしてもう1つ、龍族領も人族領や魔族領と同じく一枚岩ではない。」
「一枚岩ではない?」
「そうじゃ、人族領に幾つもの国があるのと同様、龍族領にも4つの国が有り覇権を争っておる。儂が人族領に向かえばこの国は他国のせめこまれるからのぉ・・・」
そう言って心底申し訳なさそうな表情を浮かべていた
そして赤龍は言葉を続ける
「しかし魔族領と戦争か・・・小娘、言いにくい事じゃが・・・このまま戦争になれば万一にも人族に勝利はないぞ。」
そう言い放つ赤龍に対して私は頷いた
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