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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅸ章【カジツノセイジュク】
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アカノと憤怒の奮闘


「こちらにてお待ち下さい。」


そう言って客間らしき場所に通され、先程の案内の龍?は退出するが・・・


「ねぇ、これって・・・ここに座れば良いの?」


椅子が無い

地面は草を加工した様な物が地面に敷き詰められており、そこにクッションらしき物が置かれていた


「分からないけど・・・取り敢えずこのクッションに座れば良いんじゃない?」


地面にクッションらしき物が3つ準備されている事を考えると・・・ここに座れば良いのだろう

そう考え、3人揃ってクッションに座り込む


「アカのん、意外とフワフワしてないから座りやすいね。」


「そうね。」


「それより龍も人族に近い容姿をしてるのね・・・私はそっちがビックリだわ。」


「なぁに、人化が出来ない龍は近づけておらんだけよ。主らも龍のまま近づかれると委縮してしまうじゃろう?」


そういって奥の扉から老齢の男性が入って来る

先程の龍よりもさらに一回り大きい褐色肌の老人だった

衣服は金色の独特な衣服を纏っており、赤い刺繍が施されている

白髪を臀部まで伸ばし後ろで束ねて、白髪の髭を胸元まで伸ばしていた

表情は笑っているにも拘らず鋭い眼光でこちらを視ているのが印象的だ


「さて・・・」


老人はそう言うと一段高い場所に置かれているクッションに座りこちらを見定める様な目で視線を動かす


「まずは小娘、唐突に来た理由は何じゃ?小娘は確かに儂と契約しておるがいつでも遊びに来いとは言っておらんぞ?」


彼がそう言った瞬間の空気が凍る・・・

恐らく部屋の裏側に眷属が待機しているのだろう


「赤龍、様・・・なの?」


そう告げると目を細めながらニヤリと笑う


「おぉそうじゃ。小娘とは龍の姿でしか相まみえておらんかったか。その通り、儂が小娘に詫びのつもりで契約した赤龍じゃよ。」


「突然龍族領に入った非礼は心よりお詫びします。今回はお願いがあり来訪しました。」


「ほう・・・願いと・・・?勿論見返りは有るのじゃろうな?」


内容を聞く前に見返りを求められ少し焦ってしまう

以前の赤龍は人懐っこい口調で親しげな様子であった為にその様な流れになるとは予想だにしていなかった

驚いた表情を浮かべる私に赤龍は言葉を続ける


「どんな些細な出来事であれ、対等であったとしても見返りは必要じゃろう?」


「そ、その通りです。」


「内容を聞かずに見返りを尋ねるのは非礼かもしれんが・・・人族が龍族領に赴いて頼みと言うのだ、簡単な内容では無い事くらいトカゲ竜であっても分かるじゃろう?」


そう言った彼の視線は既に臨戦態勢に入っている様に見受けられる


「・・・仰る通りです。赤龍様は何をご所望でしょうか?」


そう告げると顎に手を掛け、「そうさなぁ・・・」と暫し思案に耽る

そして手で膝を叩いたと思うと悪戯を思い付いた様な表情でこちらへ視線を移す


「他ならぬ儂の契約者がわざわざ参ったのだ、余りに無理難題を言うのも心苦しいからな・・・横に控えておる女子(おなご)のどちらかを儂に献上せい。そうすれば儂にできる範囲の無理難題であれば何でも聞いてやるぞ?」


その言葉に私の表情は固まり、2人の表情は恐怖に曇る

私は2人をチラッと見ると・・・2人とも小刻みに震えていた


「どうじゃ?破格の条件じゃろうが?!!本来、人族がこの地に降り立つだけで一国を亡ぼす儂らが1人差し出すだけで願いを聞くのじゃぞ?さぁ小娘、どちらを儂に差し出す?」


そう言った赤龍の表情は無邪気であったけれど・・・それ故に私の頭を沸騰させるには充分だった


「いい加減にしろ・・・赤龍。」


気付けば私はそう口を開いている

その瞬間、周りの壁なのか扉なのか分からない場所から赤龍の眷属が飛び出す


「何?小娘、もう一度言ってみよ。」


そう言った赤龍の顔には最早笑みは無い


「何度でも言ってやる・・・爺、悪ふざけも度が過ぎると害悪だぞ。」


私は赤龍に対して大声でそう言い放った

いつも有難う御座います!!

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