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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅸ章【カジツノセイジュク】
180/640

アカノの高龍との交流


「それにしても・・・なにこの山・・・」


「急な勾配と獣道な上、お友達になってくれそうな子がいない・・・」


2人がそう愚痴る声を聞きながら獣道を進んでいく

話し合いから6日後に私たちは人族領と龍族領の境界線に到着した


その際に人族領の門番から必死に止められたが【勇者】2人と【剣聖】が【勇者会議】総意の旨で赴く事を説明すると渋々開門してくれた

門が開くとそこは既に山の麓となっており、そこから2日間黙々と歩き今に至る


カラミトルの言う通り2日間歩いたが、龍は勿論、竜と出くわす事すらなくただただ頂上に向かっている様な状態だった


通常と違う事と言えば・・・


「それにしても・・・暑すぎない??」


ロザンワの言う通り、気温が異常に高いという事くらいだ

本当に山なのだろうか?マグマ地域では無いか?という位に気温が上昇している


「ねぇ~、登れば登る程暑い気がするよ~・・・アカのん、この道で良いの?」


「あぁ、龍族領は山を縦に四分割し、各上位龍が治めていると赤龍から聞いている。」


「へ~・・・でもアカのん、どうやって赤龍と契約したの?」


黙々と歩くのに飽きたのかカラミトルからの質問が続く


「それは私も興味あります。本来龍は人族とは一切交流を持たない種族ですよ。数百年前に現れた龍が人族に残した言葉の通り、龍と交流のある人族なんて聞いた事も有りません。」


「ロザンっち、それってなんて言葉~?」


「その龍が人族に残した言葉は『我らと交わろうとするな、代償に数百倍の命を貰う。』です。自分が龍族領に向かう事で関係無い数百人の命を危険に晒そうとする人は中々いませんからね。」


「でも数百年前でしょ?今でも絶対行こうとする人族は私たち以外もいたと思うな~。」


「えぇ居ましたとも。だからこそ門番兵を常駐させているのですよ。実際に約百年前でしょうか?門番兵を打ち破って龍族領に侵入した人族が居ました。」


「え~それどうなったの?」


カラミトルは少し無言になり、重々しく口を開く


「数日後に一国が滅んだそうですよ・・・」


その言葉に私もカラミトルも表情が強張る


「だからこそ、アカノ殿が赤龍と契約していなければ私は絶対に行きませんでしたが・・・アカノさんは何処で契約を?」


ロザンワとカラミトルの視線を背中に受けて口を開く


「大したことはないけど・・・数年前に国の指名依頼で赤龍の眷属である炎龍が人族領で暴れているのを討伐に向かったの。討伐直後に赤龍が現れて炎龍が暴れた事は自分の意に沿う事ではないと言って詫び料として契約してくれたのよ。」


そういうとロザンワは納得した表情を浮かべる


「龍は強者には寛容と言いますしね・・・アカノ殿が龍を単独で討伐した話は魔導国にも入っておりましたが、そんな事があったのですね。」


「ねぇねぇ、赤龍ってどんな龍なの?」


「話し方はおじいちゃんって感じかな?赤龍と話すと本当に龍って人族が嫌いなのか分からなくなるわよ。」


「「へ~・・・」」


そんな事を話しながら山を登り続けると前方に人族らしき男の姿が立っている

私たちは身構えて相手の出方をうかがう


「親方様の契約者様とそのお連れ様ですね?」


そう言いながら腰を曲げて頭を下げてくる


「初めまして。親方様の命によりお迎えに上がりました。」


彼は人族らしき姿をしているが明らかに異なる存在だった

身体が異常に大きく、頭から角が出ており、背中には羽が生えている

何より内包している魔力が人族と比べて異常に高いのが見て取れた

私は警戒を解かずに、人族らしき姿に対して口を開く


「親方様とは・・・赤龍の事でしょうか?」


私がそう言った瞬間にギロリとこちらを睨み、威圧感を出す

先日の【勇者】とは比べる間でもない威圧感に若干尻込みする


「・・・失礼しました。仰る通りですが、今後は親方様を呼び捨てにされるのをお控えください。親方様は寛容ですが、私共は必ずしもそうで無い事とお知り置きください。」


「し、失礼いたしました。こちらこそ無作法で申し訳御座いません。」


そう言われ、私も謝罪する

確かに相手の王を敬意も無く呼び捨てにした私に非が有るのは明らかだ


その言葉を聞いて少し微笑んで彼は言葉を続ける


「いえこちらこそ申し訳御座いません。我らが王の客人にご無礼致しました。それでは我らが王がお待ちですのでこちらへどうぞ。」


そう言って、彼の後に続いて行った

いつも有難う御座います!!

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