アカノの挙手と強襲
「皆さま、昨日はお疲れ様でした。これより【勇者会議】の2日目を行います。昨日に方針が決定した通り、魔族領に対する情報収集と防衛路線の決定と人員配置、またアカノ殿が指摘された我々【勇者】の実力の底上げについて決定したいと思います。」
ハートンホールの宣言で2日目の【勇者会議】が開催された
2日目となればハートンホールの司会進行も板についた様に思える
ギンズカンが昨日に座っていた席を見ると、誰かに回復して貰ったのだろう
気難しそうな表情をしてはいるが席に着席している
「それではまず、情報収集を担う人員を選出したいと思います。情報収集の際は恐らく魔族領に侵入する事になりでしょう・・・それ故に少人数制且つ精鋭を送るべきだと考えます。人員は最高で5人、最低で3人と言った所でしょうか?」
ハートンホールがそう告げた瞬間、私は手を挙げ「私が情報収集の任に着きます。」と告げた
「アカノ殿が・・・ですか?」
ハートンホールがそう言うと会議室はザワザワと声が漏れる
その声を聞きながら立ち上がる
「はい。僭越ながら私はこの【勇者会議】出席者の中で1、2を争う実力を持っていると自認しています。また素早さにも自信がありますので適任と思っています。」
「女、貴様は我々【勇者】と比肩して己が一番強い・・・そう慢心するのか?」
ガンジョウが立ち上がって威圧し、私にそう問い詰めてくる
問い詰めてくるが・・・
(威圧が・・・温い・・・)
【真祖】は勿論、父さんと比べてもその威圧感に脅威を感じない
そう言う意味では父さんは【剣豪】にも拘らず【勇者】よりも強いかもしれないと感心してしまう
「女・・・何か申せ。まさか委縮して何も言えんとは申すまい?」
私が考え事をしていたのをガンジョウは委縮したと勘違いしている様だ
ここで何も言わない状態を続けると情報収集の役割を逃すかもしれない
私も威圧感を込めてガンジョウに対し口を開く
「ガンジョウ殿。」
「ぬ?!」
「私は私の言葉を訂正するつもりは有りません。何故なら・・・それが事実だからです。」
「な、な?!!」
私は更に威圧感を込める
「ご不満でしたら昨日と同様に私と戦ってみればいいでしょう?1人2人と言わず、ご不満な方全員で一斉にかかって来て頂いて結構ですよ?まぁ・・・【勇者】としてプライドがないのでしたら、ね。」
「・・・!!」
ガンジョウの身体が小刻みに震えていたが、ここで威圧を弱めると再度口論に発展するかもしれない
逆に威圧感をさらに強める
「ガンジョウ殿・・・文句があれば、今すぐ掛かって来なさい。」
「・・・・・・!!!」
言いたい事を言って威圧を消す
それと同時にガンジョウは倒れる様に椅子に座り込み
顔中にに汗をかき、肩で息をしている
「・・・・・・凄まじいな。」
「まだまだですよ。件の【魔王】には平然と流されると思います。」
「そうか・・・【魔王】と・・・いや魔族と戦う事を後悔しそうだ・・・」
ガンジョウがそう言った瞬間、ハートンホールがパンパンと手を叩く
「ガンジョウ殿、アカノ殿、ここは会議をする場所ですので威圧で相手を委縮させる事は禁止です。」
「すまん。」「申し訳ありません。」
そう言って2人でハートンホールに謝る
煽りとは言え、私の威圧を受けて平然としている彼こそが私と同じ程度には強い【勇者】だろう
私がそう考えていると、ハートンホールは穏やかな笑みを浮かべて言葉を続ける
「ですがアカノ殿が実力者であるという事は、他の皆さんもご確認頂けたかと思います。私個人としてはアカノ殿に情報収集の任に赴いて頂く事には賛成ですが・・・如何でしょうか?」
彼の言葉に誰も異を唱えない
「ではアカノ殿には情報収をお願いしましょう。他に・・・」
そう言って会議は続き、無事にカラミトルも情報収集の役割につく事が出来た
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