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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅸ章【カジツノセイジュク】
176/640

アカノの談話と閑話


「ふぅ・・・」


普段しない経緯や説明を【勇者】に行った後、私は騎士国が用意してくれた部屋で一息つく


(慣れない事をするものじゃないな・・・)


普段は最低限の事しか話さないが、流石に【魔王】や魔族に対しての脅威をそれで済ませる訳にはいかない

何とか説明を終えた後は日が暮れる時間帯となってしまっていた


(しかし・・・)


考え事をしようとすると、扉からドンドンと音がする


「はい。」


こんな時間に来客か?と考えたが無視するのも慮れた為に返事をして扉を開く

すると・・・


「やっほ~!!アカのん、ちょっと良いかな~??」


扉を開けると【勇者】カラミトルが扉の前に立っていた


「あぁ問題無いよカラミトル。部屋に入る?」


そう言って室内ソファーへ促した

彼女は10代前半の様な容姿をしており、実際年齢は16歳だった様に思う

この様な少女に戦争へ赴かせるのもどうしても気が引ける

まぁ私も20歳だ、年老いたとは言えないが、自分よりも年下の少女が戦争へ・・・と考えると、どうしても気が滅入ってしまう

そんな私の心情を知らず、彼女はソファーに腰かけて足をバタバタさせていた


「カラミトル、久しぶりね。1年振りかな?」


「うんそうだね~!!!アカのんと出会ってからは約1年振りかな?」


「パパとピピは元気?」


「うん!!2人とも元気だよ!!今から呼ぼうか??」


彼女も間違いなく【勇者】だが、彼女自体は精々【剣士】や【拳士】程度の力しか有していない

だが彼女は彼女が使役し、召喚する聖獣の力を借り戦闘を行う特殊な【勇者】と言えた


「い、いえ、時間も時間だし今日は止めておくわ。それで今日はこんな時間にどうしたの?」


無理にでも話題を変えようと用件を尋ねると、カラミトルは真剣な表情に変わる


「うん、沢山聞きたい事はあるんだけど・・・【魔王】ってそんなに強いの?」


その言葉に迷いなく私は頷く


「間違いなく強いわ。でも・・・それよりも私は怖かった。」


「怖い?」


「えぇ、さっきも伝えたけど、私は運よく【魔王】と戦わずに済んだ。でも・・・対峙しただけの相手に恐怖心を植え付けられたわ。【魔王】と対峙しているとね・・・無意識に身体が震えるの。そしてそれを思い出すだけで・・・見て。」


そう言って片手を彼女の眼前に徐に差し出す

その手は・・・容易に視認出来る位に小刻みに震えている


「あの【魔王】を思い出すだけで震えがくる・・・身体中が()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言っている様にね。・・・こんな事初めてよ。」


「・・・今のアカのんって1年前より確実に強いよね?それでも?」


「えぇ。【魔王】と対峙した事がキッカケで修行したのだけど・・・まだ勝てる気がしないわ。」


「ほぇ~、【魔王】ってヤバいんだねぇ~。私も新しいお友達を探しに行こうかな・・・じゃあ次の質問だけど・・・弟さん?会った事ないけどクロのんだっけ?クロのんを探す旅に出てたって噂で聞いたけど・・・」


「クロのんじゃなくってクロノ、ね。残念だけどまだ見つかってないわ・・・でも、生きている可能性はかなり高くなったから引き続き探していくつもりよ。申し訳ないけど私にとっては戦争よりもクロノの方が大事だから。」


「やっぱりアカのんは弟好きすぎるね~!」


そう告げるとカラカラと笑い出す


「・・・そう?弟の生死を確かめる為に探すのは当たり前だと思うけど?」


「まぁそうなんだけどね~・・・なんだろう?熱量とで言うのかな?普通って探したり気遣ったりはすると思うけど・・・各国を巡って旅しようとは思わないかな~?」


その言葉に首を傾ける

そうだろうか?私は自分が【剣聖】であり、常人よりも強いからこそ自分で探すという選択が出来た

もし同じ境遇の人がいて、私と同じ【剣聖】であれば私と同じ道を選んでいると思う


まぁ、私に疑問を投げかけてきた彼女はそこを気にする素振りもないが・・・


「じゃあ次の行先は決まってるの?」


「あぁ、次は魔族領に赴く。」


私がそう告げると彼女は驚愕の表情を浮かべた

いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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