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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅸ章【カジツノセイジュク】
175/640

アカノの戦告と宣告

一様に驚いた表情を浮かべる【勇者】たちを無視して言葉を続ける


「私が対峙した【魔王】が帝国を滅ぼした【魔王】とほぼ同一人物だろうけど・・・ハッキリと断言出来するが、【勇者】全員がこの程度であるならその【魔王】1人で全滅するわ。」


「なぁにぃ・・・」


ギンズカンは喉元に剣を突き付けられながら私を睨みつける

その視線を真っ正面から受け止め口を開く


「ギンズカン、冷静に、客観的に考えなさい。相手の【魔王】1人で1国を数時間で滅亡させる事が出来る。私は先日に元帝国領に行ってきたけど・・・無事な人族、無事な建物なんて一欠けらも残っていなかった。命乞いをした者もいるだろうし、避難して建物に逃げ込んだ者もいるでしょう。城を始め堅固な建物も複数あった筈だし、帝国なら建物に物理や魔法耐性を加えていた物もあったでしょう。貴方はそれら全てを有象無象関係無く数時間でただ滅亡させる事が出来る?」


「だが俺たち全員がかかれば!!!」


「馬鹿ね・・・【魔王】1人に【勇者】が総出で出撃し、残りの敵兵や【魔王】、【魔神】はどうするの?侵攻してくる時期も場所も判明しないのに何処に全員待機しておくの?ハートンホールさん達が言っているのはそう言う事よ。貴方の言葉を借りて言うならば【剣聖】如きに負ける【勇者】がいるならば尚更、ね。」


「お、俺様はまだ負けてねぇ!!!」


成程、確かに勝敗は決したがギンズカンは降参して無いし、ハートンホールも止めていない

私はギンズカンの言葉を聞いて剣を喉元から離す


「だったら好きなだけ掛かって来ると良いわ。私に【勇者】の称号をこれ以上失望させないでね。」



「そ、それまで!!!勝者【剣聖】アカノ=エンドロール!!!」


それから数十分の間、ギンズカンの攻撃を全て避けたり捌いたりしながら、ただひたすらにダメージを与え続けた

仮にも味方なのだから致命傷となる傷は与えてはいないが・・・見るも無残な様相になっている


「お・・・俺様ぁ・・・負けてねぇ・・・」


指一本もピクリと動いていない状況でよくここまで強がりを言えるものだと感心してしまう

そんなギンズカンの様子を見てか、ハースストーンがこちらに近づいて来る


「ギンズカン殿、見苦しいですよ?この模擬試合はどう贔屓目に見てもアカノ殿の完勝です。気付いていますか?アカノ殿は貴方に致命傷を与えない様に敢えて立ち回っていたのですよ?でないと今頃貴方はとっくに死んでいます。」


そう言われてギンズカンは顔を俯かせて暫し沈黙した後に


「俺様の・・・負けだ・・・」


そう呟きた事により模擬試合は終了となった


「さて模擬試合が終了した所でアカノ殿・・・早速ですが、先程に仰った【魔王】の件をお教え頂いても宜しいでしょうか?」


「そうは言っても私も情報は無いに等しいわ。先日に【サンドール商業国】に赴いた時に【魔王】らしき魔族と対峙しただけだけど・・・帝国に現れた【魔王】と容姿が酷似している為に間違いないと思う。」


「・・・その者と戦ったのですか?」


「いいえ・・・運良く戦わずに済んだの。そうでないと私は今此処に居ないでしょうから、ね。」


「あ、貴女ほどの実力を以っても【魔王】には勝てないと?」


そう言われてコクリと頷く


「勝てる勝てないと言う次元では無かったわ。威圧された訳でも無いし恫喝された訳でも無い。でも・・・あの【魔王】が()()()()()()()で私は敗北していたの。」


「なんと・・・」


「飽くまで魔族と戦争をするならばだけど・・・私から提案するのはハートンホールさんが仰った情報収集も勿論だけど・・・私を含めた【勇者】全員の実力底上げも急務ね。【魔王】1人しか見ていない私が言うのも変な話だけど、あの【魔王】がこの戦争に参加するならば、今のままじゃ間違いなく人族は敗けるわ。」


そう告げた私に対してそれ以上口を開く者はいなかった

いつも有難う御座います!!

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