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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅸ章【カジツノセイジュク】
165/640

アカノの感情の感動


ーーガンッ!!!ーー


「?!!!!」


私の頭上に拳が振り下ろされる

【真祖】との修行のお陰で私自身の防御力も上がっている筈だ

上がっている筈なのに・・・痛い・・・


「お前には聞きたい事や言いたい事が山ほどある・・・お前、ソロでもSSS級なんだろ?権限で談話室を借りてこい。」


「父さん、何故此処に・・・?」


「その話も後だ。さっさと借りてこい。」


その言葉を聞いて反射的に受付へ向かう


「すいません・・・談話室をお借りしても良いですか?」


「えぇ、今は空いておりますので問題ありませんが・・・お父様ですか?」


「・・・はい、そうなんです。」


知らず知らずの内に小声になってしまう

普段の父さんは温厚で優しい

だけど・・・怒った時は・・・本当に怖い


「アカノさんにも苦手なものってあるんですねぇ・・・」


「苦手という程では「アカノ!!!談話室をお借りするのにそんなに時間が掛かるのか?!!」


後ろから父さんから檄が飛び、背筋がシャンとなってしまう


「アカノさんお待たせしました。こちらの鍵をお使いください。」


「あ、有難う御座います。」


鍵を預かり父さんの元へ戻り、談話室へ共に向かっていった・・・



「アカノ、先ずはソロでSSS級、更に複数国の【名誉騎士】になっているそうだな・・・おめでとう。」


「は、はい・・・有難う御座います。」


私はソロでSSS級で【剣聖】なのに、確かS級だった【剣豪】の父さんの前では委縮してしまう・・・

これが親だからなのか、これから離される内容を察しているからなのか、はたまた実力の差なのかは分からないが・・・


「ソロでSSS級という事はソロでは最高峰の頂きに達したという事だ。そして複数の国の【名誉騎士】であるという事は、それを一国に留まらず複数国がお前を特別だと認めたという事になる。」


「は、はい・・・」


「にも拘らず、だ・・・お前はお前自身で定めた誓いを守れなかったな?」


「・・・はい。」


そんな事は百も承知だ

にも拘らず父さんに言われるとどうしても胸がズキッとした痛みに襲われる


「SSS級だろうと【名誉騎士】だろうと、己の誓いを守れない者にそんな称号に意味はない。」


「・・・・・・」


「お前がSSS級であったのにクロノを守る事が出来なかったのか?それともSSS級であるが故に守る事が出来なかったのか?」


「・・・後者です。」


あの時、私は国からの依頼でクロノの傍を離れた

それ故に・・・ローエル達に・・・


「これ以上お前を責めるのも筋違いだとは理解はしているが・・・クロノは、生きているのか?」


「恐らく今は生きているかと・・・そちらの方が圧倒的に可能性は高いです。」


そう言うと父さんは初めて深い息を吐き「そうか・・・」とだけ告げ、徐に手を振り上げる


「アカノ・・・」


「・・・はい。」


殴られると思うと自然に身体が緊張する・・・

が、父さんはその手を私の頭にポンと置いた


「辛かったな・・・」


その言葉を聞いた瞬間、涙が止めどなく溢れて出てくる


「父さ、ん・・・父さん・・・私は!わた、しは・・・!!!」


緊張の糸がプツンと切れる

心許せる人と共に心配する

心許せる人が気遣ってくれる

心許せる人と共に哀しみ

心許せる人と共に慰め合う


クロノがいなくなってから私自身やクロノを心配してくれる人は多少はいてくれたが、私の心に寄り添ってくれる人がいなかった・・・


不謹慎かもしれないが、私は父さんにそう言って貰えたことにより、哀しみと共有できる喜びで泣いてしまった・・・



少しの時間が経過し、私の心も落ち着いた


「クロノに何があったかはギルドで少し聞いた・・・。アカノがクロノを探しに旅に出て戻って来たばかりなのも知っている。アカノ、この旅で・・・何があった?」


そう聞いた父さんに私は、この度の経緯を説明した










いつも有難う御座います!!

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