クロノと黒髪と黒幕
「サ、サイクス!!何を言っておる?!余が死にそうなのだぞ?!!早く助けんか!!!」
片腕を失い、痛みからか涙を流し涎を垂らし尿をもよおしながら皇帝は叫んでいる
その視線の先にいるサイクスと呼ばれる青年は尚もににやついた表情を浮かべていた
「私としてはぁ、人族の皇帝がどうなろうとぉ~興味は無いですねぇ~。」
「何を言っておる?!!貴様は余の忠誠なる兵士ではないのか?!!」
皇帝がそう言うとと手をヒラヒラと横に振りながらカラカラと笑い出す
「私はぁ、貴方に戦力の提供は行いましたがぁ、忠誠を誓うとはぁ一言も言ってませんよぉ?」
戦力の増強・・・
もしかして・・・
「其が、異形なる兵を、造りし、元凶か?」
「そうですよぉ~あれは中々のものだったでしょう~?【魔造宝珠】と名付けたのですがね!!ダンジョンで精製されている【宝珠】を解析、分解し回路をいじった所で複製をかける優れモノなんですよぉ!!アレを人族に組み込めばあら不思議!!魔族の出来上がりという訳です!!」
どうやらこいつが魔族でも人族でもない存在を造った存在で間違いない
「で!ですよぉ~、先程の話に戻りますが皇帝ご自身でこの窮地を切り開いてくださいよぉ~!!」
そう言いながら無造作にこちらに近づいて来る
「不敬、也・・・」
そう言うと同時に【暴喰ノ口】から触手が襲い掛かる
が、触手が襲い掛かる直前に霧散して消滅していく
「おぉ怖い怖い・・・私の様な弱者は捕縛されれば抵抗できませんねぇ~」
「其は、何をした・・・」
サイクスは近づきながら首を横に振る
「またまたぁ~・・・自分の手を晒す愚か者がいる筈無いではありませんかぁ~。」
そいうと僕に足蹴にされている皇帝に顔を近づける
「皇帝様ぁ~、【魔王】の言葉を借りるならぁ、羽虫である貴方は正にぃ火にくべられる直前の状況にありますぅ。羽虫である貴方はぁドラゴンに変異しぃ、初級魔法の火など気付かないほどの強さを手に入れなければなりませんよぉ?」
「よ、余はドラゴンに等なりたくはない!!王として有り続けたいのだ!!」
「やれやれぇ~例え話も理解出来ない程動揺しているのですかぁ?であれば私がぁ貴方を王にしてあげますよぉ?貴方はただ承諾すれば良いんですぅ~」
「しょ、承諾すれば余は王であり続けられるのか?!命は助かるのか?!!」
「えぇえぇ、貴方次第ではありますがぁ、今よりは確実に生存率が上がりますよぉ~。」
「承諾する!!承諾するぞ!!余を王であり続ける様にせよ!!」
その言葉を聞くとニチャァァァと嫌な笑顔を浮かべ、懐から様々な色が混じった禍々しい球を取り出す
それを皇帝の額に当てたかと思うと球がみるみるうちに額に埋め込まれていった
「あ・・・が・・・あぁ・・・」
「安心して下さいぃ、私が造った【魔造宝珠】の中でも特別性のものですよぉ~。」
そう言った瞬間、斬り落とした右肩から腕が生える
それと同時に皮膚の色が変色し、筋肉が盛り上がりだす
「あ・・・がぁーーーー!!!がぁーーーー!!!!」
目の瞳孔はなくなり、口元が飛び出てくる
して盛り上がった筋肉からは血管らしき太い管が見えてる
腰回りは目に見えて細くなり、爪が異常に伸びてくる
臀部からは刺々しい尻尾は生えてきた時点で最早人族でなく、ましてや魔族とも言えない異形な生物が誕生した
「ふぅーむ・・・これは想像以上の生物が出来たかもしれませんねぇ~。断言は出来ませんが【勇者】よりも強いのではないでしょうか?あの時と変えた配合は・・・」
「【勇者】・・・と?其が、ローエルを変異させた羽虫か・・・」
「あぁ、そう言えば【勇者】を屠ったのは貴方でしたねぇ~・・・そうですよぉ、名前は忘れましたがぁ、【勇者】を魔族化させたのは私ですぅ。あぁでも【勇者】と違って自我は保てていないみたいですねぇ~だとすると・・・」
そう言ってまた自分の思考に入り込む
「其は、な「あぁ五月蠅いな、思考の邪魔なんだよ・・・おい、ヤッテしまえ。」」
サイクスがそう告げると同時に皇帝だったモノが襲い掛かってきた
いつも有難う御座います!!
「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!
ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!




