ロキフェルの進化と真価
「なっ?!!!」
ソウキの気怠そうな目が僕を見ると同時に大きく見開かれる
こいつが放った必殺の一撃は僕の身体の手前で停止している
「おいガキ・・・その姿はなんなんだ?」
僕の今の姿を見てかなり驚いているみたいだ
それはそうだろう・・・
僕の切り札中の切り札を使ったんだから・・・
今まで10代前半位だった背丈や容姿は20代位になっている
髪は伸び、衣服はヒラヒラした戦場には似つかわしくない衣装となっている
何よりも胸の膨らみが動きにくくて邪魔だ
「お前・・・その姿は?!それに女だったのか?!」
僕はその質問に答える事なく、無造作に悪魔を2体顕現させる
先程まで顕現させていた悪魔とは文字通り格が違う
『姫、ご無沙汰しております。我らを顕現されたという事は目の前の小鬼を塵芥にする事が使命で?』
『分かり切った事をお伺いするなアザゼル。姫が我らを顕現されたのだ、それ以外の何でもあるまい。それに・・・小鬼とは言えそれなりの小鬼だ。多少は戯れる事が出来よう。』
「アザゼル、グリゴリ、目の前の鬼は僕の仇敵だ。戯れるのは良いが殺すなよ?僕の手で奴は殺す。」
『おぉ!・・・となりますと今回も姫の勇姿を最後まで拝見する事は叶いませんな。』
『そう言うなアザゼル。姫は我らを忘却の渦に混ぜてはおらなんだのだ、それを喜ぼう。』
そう言って高位の悪魔2体はソウキの方へ視線を移した
2体の悪魔に睨まれた当の本人は未だ驚愕の表情を変えられないでいる
「ガキ・・・き、貴様・・・何をした?何をした?!!!!」
その表情を見ながら少しだけ胸がすく
「何をしたって言ってもさっきと同じさ。悪魔を顕現させただけだよ。ただまぁ僕の寿命と引き換えに発動する固有スキル、【悪魔ノ削命】を使用し急激に成長した状態でだけどね。」
『しかしこの小鬼、姫をガキ呼ばわりとは・・・』
『しかも我らの前でとは・・・恐れ入る。』
そう言うが否やアザゼルとグリゴリはソウキに襲い掛かる
「うおおおおおおおおおおおおおーーーーーー『魂震打』!!!」
襲い掛かる2体を撃退する為にソウキもスキルを使用し、大斧を強化し魔力を纏いながら2体を迎え撃つ
『小鬼よ、まずはその足を寄越せ。』
アザゼルがそう言ったと同時にソウキの攻撃を避け、右足を奪う
「があぁああ!!馬鹿な?!!鬼人の身体の一部を一瞬で奪い去る悪魔だと?!」
『アザゼル、貴様には情緒が無い。ほれ小鬼、受け止めてやるから攻撃を捻り出せ。』
グリゴリは片足を失ったソウキの眼前に立ち攻撃を促す
「な、舐めるなぁぁ!!!『魂震打』!!!」
スキルを発動させてグリゴリへ攻撃を当てるも、斧はグリゴリに指2本で受け止められる
『つまらん・・・先程と同じスキルでは無いか?その様な弱者には腕は不要だなぁ・・・』
「あ・・・ああ・・・あああーーーーーー!!!!」
グリゴリは斧は受け止めたまま、もう空いている腕でゆっくりと片腕を千切り取る
『姫、この小鬼では遊び相手にもなりませぬ・・・次回はもう少し歯ごたえのある相手と戯れとう御座います。』
『姫は未だ成長途中、急かすでは無いわ。』
その言葉を聞きながらほぼ無力化されたソウキの前に僕は立つ
「あ・・・あぁ・・・」
ほぼ戦意不能となったソウキを見下ろす
「闘争がしたいか?」
そう言うと震えながら首を横に振る
「僕はお前たちが躍起になっている闘争を知りたい。」
そう言ってソウキに手をかざして回復させる
「あ・・・あぁ・・・え?」
奪われた足も千切られた腕も元に戻るった自分の身体を見て茫然としている
「僕にお前たちが夢中になる闘争を教えてくれよ。僕1人で相手してやる。」
『やれやれ、我らはこれまでですな・・・姫が若になられるのでしたら我らの姿は顕現出来まい。』
『姫も若も極端だからな・・・』
五月蠅いよ・・・と心の中で思っているとソウキが無造作に大斧で攻撃を仕掛けてくる
「あああああああぁぁぁぁ!!!」
ーーーーシューーーーー
僕が放った手刀で空気が斬れる音がする
「き・・・貴様・・・男・・・?」
首と身体が徐々にずれながら僕の姿をみて再度驚く
「僕は悪魔だぜ?男も女も思いのままさ。まぁ男は魔力が0で物理攻撃に特化し、女は物理攻撃が0で魔力に特化しているけれどもね。あぁ・・・僕はお前とは闘争出来ないみたいだな・・・」
そう言ってわざわざ説明してやったのに悪魔は顕現出来ずに消えており、ソウキは首と身体が離れて返事をしてくれなかった・・・
いつも有難う御座います!!
昨日(2/24)初めて1日のPv1,000を達成いたしました!!
これも日頃からご愛読頂いている皆様!!興味を持って読み始めて頂いた皆様のお陰です!!
皆様のお陰で頑張って、楽しく書かせて頂いております!!
本当に有難う御座います!!
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