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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅷ章【クロイケムリガタチノボルトキ】
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クロノの対面と体面


「トウキ様が・・・」


「な、何が起こったんだ・・・」


味方の数が目に見えて減少した上に、自軍の大将が瞬間的に殺されたことにより鬼人の動揺は計り知れないものだった

猪突猛進、正面突破を好む鬼人たちも覇気がなくなり、少しずつ後退していく


「今だ!!!全軍突撃ーーーーー!!!!」


バルデインはこれが好機とばかり兵士たちに一斉攻撃を命じ、それに呼応する様に兵士は一斉に動き出す

僕は重傷者の傍に向かい、彼らを魔法で癒す


「おぉ・・・」


「治っている・・・」


「【魔王】様、有難う御座います!!!」


傷が癒えた兵士たちは歓喜の声を上げて喜んだかと思うと武器を持って追撃に参加する


(全く・・・頼れる兵士だよ。)


頼もしさと若干の呆れを胸の内に秘め、僕は門の前まで歩いていった


「お兄さん、この門だけど壊しても良いかな?」


いつの間にか隣にロキフェルが立ち、いつも彼らしくない表情を浮かべて聞いて来る

その切羽詰まった表情に何となく不安を覚えてしまうな・・・


「是。ロキフェル、己が分を弁え、羽虫を圧倒せよ・・・」


そう言われてロキフェルは良く分からない表情をする

あぁ、仮面はこういう時には不便だな・・・と思いながらそっと仮面を外して、彼にだけ素顔が見える様にして話しかけた


「ロキフェル、いつもの君らしく臨めば負ける事は無いよ。」


そういうとキョトンとした表情の後にニカッと笑い「うん、そうだね。」と応えてくれた

それからロキフェルは悪魔と共に門に対して魔法を放って壊す


「総員、【魔王】様に続け!!!降伏する者はくれぐれも殺さず捕縛せよ!!これは【魔王】様の勅命だ!!!」


「「「おおおおおおおーーーーー!!!」」」


そう言って門の中に突撃を行い激しい戦闘音が響き渡る


「【魔王】様!!ここら一帯は我らが引き受けます!!【魔王】様は前方の城へお向かい下さい!!」


バルデインは戦闘を行いながら僕にそう提言してくれる

僕はその言葉に頷き、ロキフェルと共に鬼人たちを間引きながら、相手国の【魔王】がいるであろう城に向かってまっすぐ進んでいった



僕等は城門を壊し、城内に侵攻していく

道中襲い掛かって来る鬼人たちを退けながら、1人の鬼人に案内をさせて【魔王】がいる豪華絢爛な扉の前に到着した


「お兄さん、いよいよ相手国の【魔王】とご対面だね・・・緊張してる?」


「非ず。其は、這いながらも、あがくが、良い。」


「ハハ・・・お兄さんの条件だからね。命だけは守るさ。」


お互いに頷き合って扉を開くと


「よお、いらっしゃい。」


気だるげに上座に座る鬼人が1人、上座のすぐ手前で眠そうな表情でこちらを眺める鬼人が1人いた


上座に座っている鬼人が【魔王】だろうか?敵対している国が攻め込んできたにも関わらず、気だるそうで戦闘態勢には微塵も入っていない

髪は灰色で、左目の下には文様が刻まれている

目は群青色をしており、飲み物を啜っている


もう1人の鬼人が弟だろうか?

寝起きの様な表情をしており、胡坐をかいて欠伸をしている

こちらも戦闘態勢には入っていない

髪は逆立った紫色をしており、右目のしたには文様が刻まれている

目は緑色をしていた


その姿を見た瞬間ロキフェルは苛立った表情で攻撃を仕掛けようとするが、それを手で制し彼らの元へ近づいて行く


「其が、【鬼人国ソウトウキ】、【魔王】に相違ない、か?」


そう尋ねると視線をこちらに向ける

けれども一向に戦闘態勢を行う様子はない


「んぁ?ああそうだ。俺様が【魔王】、ダンキ様よ。」


上座に鎮座するダンキがそう言うと手前に居る鬼人が眠そうな表情で言葉を挟む


「俺は兄者の弟、レイキ様だ。」


「我は、【黒家クロノス】、【魔王】、クロノ=エンドロール也。其等には、我が、属国となる事を、提案す。」


そう言うと2人は顔を見合わせて大笑いを始めた

それを見たロキフェルがイライラした表情を浮かべる


「おい!お前ら何が面白いんだ?!!」


「馬鹿が。この世から闘争を取ると何も楽しい事がねえじゃねぇか。わざわざ遊び相手がやって来たんだ、敗北宣言する訳がねえだろ?」


そう不遜の表情で言い放った

















いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

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