クロノの瞬殺と圧殺
次の日の昼過ぎ、僕等は【鬼人国ソウトウキ】の首都に到着した
城門前には約300余りの鬼人が待機している
飛び道具を構えて城門の上からこちらに追撃してくると考えていたが弓兵らしき鬼人は1人もいない
(思った以上に直線的な考え方をするな・・・)
鬼人なのか【魔王】なのかは定かでは無いが、少なくともどちらかは直線的な戦いが好きな様だ
そう思っていると前方から1人の鬼人がこちらに近づいて来る
こちらと一定の距離で立ち止まったかと思うと「代表者出てこい!!」と大声で喚く
バルデインが近づこうとするのを手で制し、僕は鬼人に近づいて行く
「儂は、この国の守備大将であるトウキ様だ!!!名を名乗れ!!」
「【黒家クロノス】、【魔王】クロノ=エンドロール也。」
「ほう・・・【魔王】自らが出向くか。中々豪気な性格をしておるわ。」
いやいや、代表者を呼んだのはお前だろと口から出かけたがグッとこらえる
「クロノスの【魔王】よ、大人しく投降せい!!貴様の命は無くなるが兵士の命は助けてやろう。貴様の命に意味を持たせてやるのだ、有難く受けとれい!!」
「我は無意味な命など、求めてはおらぬ・・・其等が、脱兎しようと、我らは、追わぬ。」
そう答えると急激に睨みつける
「よくぞ吠えたものよ・・・貴様の死出の旅に全員連れて行かせてやるわ!!」
そういって元の場所に戻っていくので、それに倣い僕も自軍に戻る
「【魔王】様、大丈夫ですか?」
「些事故気に病まずとも良い。・・・暴虐の刻だ。」
「ハッ!!」
その言葉に呼応する様に相手からボォーーーーという音が聞こえる
「「「うおおおおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!」」」
それと同時に一斉に鬼人たちがこちらに向かって来る
「始まるぞ!!!全員死力を尽くせ!!!」
「さあ開戦だぞ!!!悪魔族、僕に恥ずかしい思いはさせるなよ!!!」
バルデインが大声でがなり立てるとロキフェルが自国の国民に発破を掛ける
「「「うおおおおおおおーーーーーーーー!!!」」」
呼応する様に兵士たちは両翼から一斉に攻め込んでいく
ロキフェルは遊撃隊さながら悪魔を生み出し、空から魔法を連発する
バルデインは高台に上がり、全体の指揮を行う
そして僕は・・・
「見つけた!!あいつが【魔王】らしいぞ!!」
「あいつを殺せば大将も夢じゃないぜ!!」
「その首貰ったーーーーー!!!」
「・・・【暴喰ノ口】。」
発動と同時に触手が相手を捕縛する
「ぐ!!」
「こんなもんで俺様を捕らえられんわ!!」
「おら解除ーーー!!」
解除する瞬間に出来た隙を見て鬼人の首を剣で刎ねる
「次・・・」
「ま、まぐれだ!!
「一斉にかかりゃ大した事ねぇぞ!!」
そう叫びながら尚も多数の鬼人がこちらに向かって来る
発動させている【暴食ノ口】から触手が相手の身体へ伸びていき、解除する者は首を刎ね、解除できない者は喰われていく
「次・・・」
「次・・・」
「次・・・」
そうして何十かの鬼人を屠ると、奴らの表情にも恐怖の色が生まれだす
どこからか僕を化物呼ばわりする声まで聞こえてくる始末だ・・・
そうして2時間程度は経過しただろうか?
やっと敵の軍勢300余りが100を割ったかの様な数になりだした
こちらの損害はどうやらレイスはデバフだけでは無く初級の回復魔法であれば使えるらしく、重傷者や負傷した者はいても死者は出ていないのが幸いだった
「馬鹿者共が!!!駆ける事しか出来ん獣人に貧弱な悪魔、存在の薄いレイスに女々しそうなエルフに何をてこずっておる?!!」
そう言って先程のトウキと名乗る鬼人がこちらに向かいがてら重厚な棍棒をこちらに振り下ろしてくる
だが・・・
「【怠惰ナ脚】・・・」
「ペギャ?!!!!」
【怠惰ナ脚】を発動した瞬間、トウキは見えない何かに圧殺された
(このスキルは力加減が難しいな・・・)
目の前で圧殺してしまった鬼人を見下ろし、これから練習しようと僕は心に決めた
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