クロノの指針と方針
3日後、約束通りファーニャさんは護衛兵士100と共に城に赴いてきた
それと同時に、元ブーザル領にいたルーシャもマリトナに仕事を任せて戻って来ている
僕は王座に鎮座し、両脇にはルーシャ、ロキフェル、バルデイン、グーガ、家臣達が直立して待機しており、ファーニャさんは近衛兵とともに王座の階下で跪いている
「ただいまより、【黒家クロノス】の属国となる【妖精霊国インフォニア】との締結を行う。」
そうルーシャの声が鳴り響く
少々怒気が孕んでいる気がするのは気の所為ではないだろう・・・
昨日の夜に属国となる条件を提示された事を伝えると驚愕して私室にこもってしまったからなぁ
「【妖精霊国インフォニア】の宣言を以って、【妖精霊国インフォニア】は【黒家クロノス】の属国となるものとする。」
そんな事を考えて苦悩している最後の宣言の所まで進行していた
「はい、【妖精霊国インフォニア】、【魔王】ファーニャ=S=イスフォンダル、今この時この場所により【黒家クロノス】の【魔王】クロノ=エンドロール様の属国として庇護下に加わり、又、今この時この場所により忠誠を誓います。」
「是。其等の、忠誠に、期待す。」
「はい。」
「以上を以って、【妖精霊国インフォニア】を【黒家クロノス】の属国となった事を認めるものとする。」
そうルーシャの若干ふてくされた様な宣言を以って、【黒家クロノス】の属国は2国となった
◇
◇
◇
無事に属国への宣言が終了し、全員で会議室へ移る
ここではロキフェルの護衛兵やファーニャさんの護衛兵には遠慮してもらい仮面を外して会議へ出席する
「じゃあ先ずは、ルーシャから元ブーザル領の報告を。」
そう言って彼女に発言を促すと、機嫌は戻ったのか「はい。」といって言葉を続ける
「ブーザル領ですが、良くも悪くも一般的な魔王領と言った所ですね。レイス達は重税で苦しんでおり、【魔王】の交友費や贅沢な品々が陳列しておりますね。ですので元のブーザルと密かに付き合いのあった人族商人と売買を行い財政を回復させ、国庫の財源を民へ差配しようと考えております。」
「うん、それで良いよ。後は防衛費と兵士の質を上げていこう。もう少ししたらクロノスの獣人と混合編成させれば幅が広がるね。」
獣人の身体能力とレイスの状態異常能力が組めば1個小隊でも兵力がアップする筈だ
「お兄さん、だったら僕の国の兵士は魔法が得意だから一緒に組ませてよ。」
「クロノ様、エルフは遠距離での攻撃と、それなりの魔法が可能ですので共に組ませていけば面白いかと。」
ロキフェルとファーニャさんがともに提唱してくる
「良いの?君たちは属国だから無理に自国の兵を徴収するつもりは無いよ?」
もしそれが良いのなら様々な点で理想的だが・・・
「うん良いよ!!その代わりその混合組を家の防衛にも充てて欲しいかな?」
「我が国の国民は未だ閉鎖的な思考が多くなっておりますので、首都部分では無く国境沿い配置となりますが、同じく派遣して頂ければ・・・」
これは予想以上に有難い申出だ
「じゃあ試験的に4カ国分の兵士を混合した小隊を造ってみよう。これで多岐にわたる戦術が可能だし、それによって他国間の思考や諍いが周知出来れば、円滑な魔族間関係が組み上げられるかもしれないからね。
まずは・・・10個小隊を造って10日間程共に過ごしてもらおうかな。」
「畏まりました。それでは後程に編成する者をリストアップし組み上げます。」
「うん宜しくね。次は国民達の生活水準だね。」
・・・そうして互いの情報を共有化しながら問題点を落しこんでいく
「じゃあ最後に僕の行動だけれど、次は【妖精霊国インフォニア】の隣に接する国に赴こうと思うんだけど、次はどんな国なのかな?ファーニャさん、知ってる?」
僕がそう尋ねるとファーニャさんは立ち上がる
「はい。ただ、次の国は少し厄介な国かもしれません。」
そう言って表情が渋りだした
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