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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅷ章【クロイケムリガタチノボルトキ】
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クロノの降参と考察


心の中でフーーーと息を吐く

ファーニャさんには口で勝てる気がしない

それに話す言葉が改変されてとんでもない事になるのも避けたかった為に、僕はおもむろに仮面を外す


「降参です。貴女には舌戦では勝てる気がしませんよ。」


そう苦笑しながら告げると、彼女は目を見開いて驚いた後ににこやかに笑い「あらあらまぁまぁ。」とノホホンと返してくる

そんな彼女に言葉を続ける


「この国の成り立ちは理解しました。正直、僕としては今すぐにその重荷を背負う覚悟はできません。ましてや初めてお逢いした貴方を嫁にするなんて想像だにしてませんでした。かと言って宣戦布告をする気は尚有りません。貴女方に勝っても負けても嬉しくないでしょうからね・・・」


「戦う気が無い・・・そう言って頂けるのでしたら、こちらとしては本日この場を設けた目的は達成されましたわ。」


「因みに疑問点があるのですがお伺いしても?」


「えぇ勿論。」

そう言ってにこやかに返答する彼女は無垢な少女に映る


「幾つかあるのですが・・・まず【妖精霊の真祖】は僕の属国になろうとしている事はご存知なのでしょうか?」


そう聞くと彼女は首を横に振り「知りませんわ。」と答える


「それは・・・不味いのではないでしょうか?」


「確かに不味いかもしれません。けれど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


そう言って笑った後に言葉を続ける


「それに、『我らの神はクロノ様が【人魔の真祖】の寵愛を受けている』その1点のみで排除を命じましたの。人となりも知らず排除する事は私には出来ません。こうしてお会いして私は正しかったと確信しておりますし。」


僕は若干冷めた飲み物を口に含んで思考を纏める


「でもそれじゃあ、【妖精霊の真祖】の反感を買い、この国は危ないのではないでしょうか?」


「私の予想ではそれは大丈夫かと。私の立場でこう言うのも卑怯かもしれませんが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


「でも存在しない訳じゃあありませんよね?」

僕はそんな親、いや産まれた瞬間に殺そうと考えた親を知っている


「えぇ、残念ながら。ただ我らの神がそこまで狭量ではないかと。我ら以外に神は神たる存在を維持出来るモノは最早ないのですから。」


成程・・・【妖精霊の真祖】を【真祖】たらしめているのはこの国だけだからという訳か

ただ、逆に僕が狙われないだろうか?


「フフ・・・だからこそ私が嫁ぐのですよ。私の夫を無闇に殺そう等と考えないでしょう?」


どうやら表情に出ていたらしい

やっぱりファーニャさんには勝てる気がしないなぁ・・・


「分かりました、次の質問です。ファーニャさんは【魔皇帝】や【魔神】ではなく、称号【魔王】なのでしょうか?」


かなり踏み込んだ質問なのだが、彼女は事もなげに回答してくれる


「えぇ、私は【魔王】です。幸い近隣から攻められることも無く治めておりましたから。こちらから攻める理由も有りませんしね。」


となればこの国が属国となれば【魔神】に一歩近づく

いやでも・・・結婚するのはなぁ・・・

脳裏にルーシャと赤い髪の女性が浮かびなんともやり切れない感情が渦巻く


「・・・!!」

まただ・・・

赤い髪の女性、多分アカノを思い出すと頭痛が甦る


「クロノ様!どうかなさいました?!」

彼女が慌てた様子でこちらを見つめるので「大丈夫です。」とだけ告げる


「誓って毒など盛ってませんからどうされたのかと思いましたわ。」


「はは・・・いや少し頭痛がしただけです。」


僕がそう言うと少しほっとした表情を浮かべる


「それにしても・・・クロノ様は魔族の筈ですのに、人族の様な容姿をされているのですね。」


「えぇまぁ・・・少し色々ありまして・・・」


「あら?ではその色々をお教え頂いても?」

興味津々な表情と、目に悪戯を思い付いた時の色が出てきたのを見逃さない


「いえまぁ、私の事は信頼出来るごく一部の者しか知りませんから・・・」

そう遠回しに拒否すると彼女はニヤニヤした表情に切り替わる


「属国にするしないのカードはそちらがお持ちですわ。後はクロノ様次第なのですからどうぞお話しください。」


そう言った彼女には白旗を上げるしかなかった・・・

いつも有難う御座います!!

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