クロノと世界の成立
「この度は急な話し合いのお願いを聞いて頂き、誠に有難う御座います。」
連れて行かれたのは緑生い茂る中庭
そこにテーブルに飲み物がセットされ準備されていた
この光景はブロウドさんを思い出す
「味気無い会議室等よりもこの方が趣があると考えましたが宜しいでしょうか?」
「是。」
誘導されるまま椅子に腰かけてファーニャさんと向かい合う
飲み物を勧められるも仮面を外す訳にもいかず、ただ腰を掛けるだけにしておいた
「クロノ様は仮面をお外しになりませんの?ここには私たち2人しかおりませんので周りの目を気にする必要はありませんよ?」
「我が、この仮面を外し時は、信頼たる部下の、前のみとしておる。」
「まぁ!確かに今の私はクロノ様の部下ではありませんからね。ただ、直ぐに外して頂く事になりますが。」
そう言いながらフフッと笑う
これは僕の部下になるという事なんだろうか?
それとも実力で外させるという事なのだろうか?
先程は自分を随分下に見ていたが、その言葉をそのまま鵜呑みには出来ない
「其は、我に、何を渇望す・・・?」
「あらあら、クロノ様はせっかちですねぇ。そうですねぇ・・・先ずはこの国の事を知って頂いても宜しいですか?」
その言葉に無言で頷く
ただ頷いただけなのにコロコロと笑われるのが不思議だ
「我らが神の仰っていた方とは随分違う印象を受けますねぇ。」
「其等の神、と?」
「はい。私たちの神とは【真祖】、【精霊の真祖】である【ファスミーヤ=R=アンフェス】様の事です。」
その言葉に仮面の内で驚いた
確かにブロウドさんは【真祖】は他にも存在するとは言ってはいた
けれどもブロウドさん以外の【真祖】の存在をを知るのは初めての事だった
「我らが神は、この国へ時々お立ち寄り頂けます。先日もご降臨されクロノ様の事を聞かされたのですよ。」
「・・・我は、【精霊の真祖】と、相まみえた事は、無い。」
「えぇ、神もクロノ様とお逢いした事は無いと仰っておりました。ただ、貴方の後ろに【人魔の真祖】がいる事に対して危惧していらっしゃるのです。」
【人魔の真祖】・・・ブロウドさんの事だ
けれど・・・何故ブロウドさんの事を危惧しているのだろう
「雰囲気から察するに、我らの神が危惧している理由が分からないという所でしょうか?ですから先ずはこの国の事なのですよ。」
そう言って目を閉じて言葉を続ける
「遥か昔という言葉も最近となる程、悠久なる昔・・・世界に存在する【真祖】3人の間で争いが起きました。1人は【精霊の真祖】、もう1人は【龍の真祖】、そして【人魔の真祖】です。争いの原因は【人魔の真祖】がキッカケです。」
ブロウドさんがキッカケで争いが起きた?
僕の印象では圧倒的に強いが、理知的で穏やかな彼が争いを好む様には思えない
「世界では【真祖】は神と同一視されますが、我らの神が仰るには神は別にいるそうです。その神から3人が受けた啓示とは・・・『生物が住む豊かな楽園で安寧なる世界の構築』。そこで3人は何らかの方法で己を系譜とする存在を生み出しました。」
「何らかの、方法と?」
「そこはぼかして教えて頂けませんでしたの。まぁ軽々に言える事では無いのでしょう。」
それはそうかもしれない
世界の真実どころか、世界そのものに関わる様な物事だろうし
「【龍の真祖】は空を覇者とする龍を生み出しました。龍が空に存在する事により世界に雨が出来、火山の熱を得て、時に嵐や雷を起こします。【精霊の真祖】は妖精や精霊を生み出しました。妖精や精霊により、自然は栄えました。空と地に龍と妖精霊の魔力が潤沢に存在しているのです。」
こんな重要な話を聞いても良いのだろうか?
本当かどうかは分からないが、世界の天気や災害は龍、自然が存在するのは妖精霊のお陰という事だよね・・・
「そして【人魔の真祖】は・・・何かを生み出す訳では無く、それらを使用する魔族や人族を生み出したのです。」
彼女の言葉は若干重いトーンになっている気がした
いつも有難う御座います!!
正直、大風呂敷を広げ過ぎているかも知れませんww
矛盾ない様、丁寧にたたんでいきたいと思いますので何卒宜しくお願い致します。
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