クロノと歓迎と関係
「「【黒家クロノス】の【魔王】様ですね。」」
そう言って眼前には2人のエルフがこちらに挨拶をし礼の意を示してくれる
【死国ブーザル】に顔を出した次の日、僕は急いで隣国である【妖精霊国インフォニア】に向かった
というのも【死国ブーザル】の時と同じく、属国になるか戦うかの書状をこの国にも届けた結果、【妖精霊国インフォニア】からは話し合いたいとの回答が来たからだ
こちらとしては話し合いで丸く収まるならばそちらの方が良いし、全てを武力で制圧したい訳では無い
僕はその話し合いを了承し、指定された今日に王城へ向かったという訳だ
・・・まぁその所為で【死国ブーザル】の事を彼女たちに任せたのは申し訳なく思うけれど、魔族領をまだ把握していない僕がいるよりも彼女達ならば要所要所を抑えた政策を施せるだろうという信頼もあった
「是。我が【黒家クロノス】、【魔王】也。」
そう答えると2人は若干訝しんだ表情を浮かべる
「あの、他国の【魔王】様。護衛や付き人は・・・?」
あぁそうか
一国の【魔王】が付き人も護衛も付けていないのが不思議だったんだな
「我に、護衛は不要。我独りで、如何様にも、なり得る。」
そう言った瞬間、目の前のエルフは警戒してくる
(またやっちゃったよ・・・)
どうしても【魔王】っぽく変換されると要らぬ警戒や不信を買ってしまう
僕は『今回は話し合いなので僕だけでどうにかなりますので大丈夫です。』と言ったのが、聞き方によってはこの国を亡ぼす事は自分だけで充分だと受け取りかねない変換だ・・・
もう、仮面取っちゃおうかな・・・と考えていると王城の門がギギギーーーと開きだす
「マニヤ、アリヤ。警戒せずとも大丈夫ですよ。こちらの【魔王】は理知的ですから。」
「「【魔王】様!!」」
そう言って護衛は目を見開いて驚く
ファーニャと呼ばれた女性は金髪の長いウェーブがかった髪をし、緑色の瞳をしていた
空色のドレスが映え、誰が見ても美しいと言われる様な人族で言う所の20代半ばの様な容姿をしていた
そんな事を考えていると彼女はドレスの裾を掴み一礼してくる
「初めまして、【黒家クロノス】の【魔王】様。私は【妖精霊国インフォニア】の当代【魔王】を務めます、【ファーニャ=S=イスフォンダル】と申します。」
【魔王】になって初対面でちゃんと挨拶されたのは初めてかもしれない・・・
そんな風に少しだけ感激している自分がいる
「「ま、【魔王】様!!【魔王】様たるものが同格の【魔王】にその様に礼儀正しくせずとも!!」」
そうマニヤとアリヤが動揺する
まぁ、どちらがマニヤでどちらがアリヤか分からないのだが・・・
その言葉を聞き、ファーニャは微笑みながら口を開く
「あら、2人ともまだまだですね。こちらの【魔王】様と私が同格とはとんでもないわ。この方がその気になれば2日でこの国は全てが無くなるわよ。ですよねぇ?」
そう言って悪戯を思い付いた様な表情で視線を投げかける
彼女は中々肝が据わっている様だが、残念ながらその遊びには付き合うつもりは無い
僕は右手を自分の前に出し、左手は後ろにして礼を返す
「我は、【黒家クロノス】、【魔王】、クロノ=エンドロール也。」
「これはご丁寧に有難う御座います。・・・戯れには付き合って頂けませんでしたが。」
そう言ってフフッと笑う
「「戯れとは??」」
「クロノ様にこの国を滅亡させるぞーー!!というデモンストレーションをアイコンタクトでお願いしてみたのですよ。」
「「何してるんですか?!!!」」
2人の息ピッタリだなぁ~
そんな事を考えているとファーニャはその間もコロコロ笑っていた
「さぁ、この様な場所でクロノ様と立ち話も品位を疑われます。城内にどうぞ。」
そう言って促されるままに城内に入っていくのだった
いつも有難う御座います!!
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