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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅶ章【アカイケツイノホノオ】
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【間章】皇帝の根底と行軍


そんな皇帝に対し、1人の貴族が突然飛び出し、礼をして声を大にして叫び出す


「お、恐れ多くも皇帝陛下に申し上げます!!!皇帝陛下!!彼の青二才は青二才なれど!!決して侮れる相手では御座いません!!青二才が言うには魔族領2国を属国とし!1国を滅亡させたと宣言しております!!人族に対しても宣言する事を考えれば、侮ってはならぬかと!!」


周りの貴族はその貴族に対して驚きの視線を向ける

先程にマンブルグが連れて行かれたにも関わらず、その直後に皇帝に対してその様な事を言えばどうなるか・・・誰一人として知らない者はいないのだから・・・


だがその貴族は尚も言葉を続ける


「こ、皇帝陛下!!それにあの様な物を皇帝陛下の忠実なる兵に投与する事・・・今一つ!今一つご再考頂けませんでしょうか?!!あれは・・・あれは・・・」


そう言って貴族は言葉を濁す

その言葉を言うと同時に死刑を宣告されても何一つおかしくないのだから・・・

だが、彼は腹を括ったのか、しっかりと皇帝へ視線を投げ、身体を震わせながらも口を開く


「あれは、非人道的でございます!!!」


彼がそう言うと同時に周りにいる兵士たちが彼を捕縛しようとする

が、皇帝はそれを手で制し、暫し思案しだした


「ふぅむ・・・忠義心の厚いコンタルの言葉だ、無下には出来ん。だが余は青二才の妄言虚言の類だと考えておる。またアレに関しても非人道的だとは思っておらん。サイクス、その方はどう思う?」


そう言って後ろに控えていた黒髪黒目の男に声を掛ける

サイクスは前に出て、王座の前の皇帝に跪き言葉を発した


「恐れながら申し上げます。私も魔族領の青二才が弱いながらも精一杯吠えているだけかと・・・アレに関しましても私は非人道的だとは考えておりません。この国の全ては皇帝陛下の所有物であり、皇帝陛下の名の下に生かされているに過ぎません!!ですが・・・コンタル様はお疑いなさっているご様子です。では如何でしょうか?コンサル様にご使用頂き、如何に非人道的ではないかを身を以って知って頂くという事は・・・?」


その言葉を聞きコンタルは驚愕の表情を浮かべる


「ふ、ふざけるな!あの様な非人道的なものを許される訳がない!!あれを使われる位ならば皇帝陛下に処刑して頂いた方がマシだ!!!」


その言葉を聞き、皇帝は深く頷きながら言葉を発する


「決まったな。余はコンタル、貴様を失いたくはない。それにアレを貴様に理解して貰える機会となる。貴様にあれを使用する事にしよう・・・連れていけ。」


その言葉と同時に兵士たちはコンサルを捕縛し連れて行く


「皇帝陛下!!お考え直し下さい!!あれは禁忌の領域です!!陛下ーーー!!」


そうしてコンサルが連れていかれると同時に皇帝は立ち上がる


「決まったぞ。今この時この場所から魔族だけでなく人族全てに向けても宣言せよ!!余の国【ダイン帝国】は魔族領【黒家クロノス】に対して宣戦布告を宣言する!!今すぐに魔族領へ向かい、余の国とせよ!!」


「「「ハハーーーーーー!!!」」」


皇帝の名の下、宣戦布告が発令され、貴族たちはそれに応じる

これが人族史上、初めて公に魔族へ宣戦布告が発令された瞬間となった


それに対し、礼をしながらほくそ笑む人族が1人・・・

サイクスと呼ばれた男は獰猛な笑みを浮かべていた




「上手くいったみたいね?」


そう言ってサイクスの寝室にどこからともなく入って来る女に対し、サイクスは驚きもせず「えぇ。」と答える


「しかしサイクス・・・あんたの研究意欲には頭が下がるわ。」


そう言ったヴァリアはニヤニヤしながらサイクスに皮肉を込める


「私はねぇ、私の研究成果が最大限活かせる場を整えただけですよぉ?」


サイクスはそんなヴァリアの言葉を意に介さずに返答する


「あの御方も仕込みは上々と仰っていたわ。【ダイン帝国】対【黒家クロノス】・・・どうなるかしら?」


「しかも不確定要素もありますからねぇ~。これは見ものですよぉ!!」


「勿論よ!!最前列で拝見させて貰うわ。クロノスの【魔王】も見たいしね。」


「ですねぇ~。今度こそ・・・」


「「楽しみましょう。」」


そう言った2人の笑みは何処までも残酷的だった


これにてⅦ章は閉幕となります。

次回Ⅷ章に対しても早い更新を心がけます!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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