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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅶ章【アカイケツイノホノオ】
120/640

アカノの侵入と潜入


「剣聖様、ここまでの道中、誠に有難う御座いました。あちらに見える検問所からが【インスラント聖国】となります。」


次の日、目的地に無事到着した際、商人はそう言って前方を指さす

確かに前方には城門かと思う程の要塞の様な壁が並び立つ


「畏まりました。それでは私の依頼は無事に完了という事ですね。」

私がそう言うと商人が頷く


「はい。剣聖様も如何ですか?洗礼を浴びるとなれば国内に入れますよ?国内には広大で豊かな自然があり、それだけで心が洗われる様ですよ。」


「豊かな自然ですか・・・確かに前方から見えるあの山等は雄大ですよね。」

そう言って1つだけ飛びぬけた山を指さす


「おぉ、流石ですね。あの山は神聖な山と目されております。ただ、余りにも神聖だからなのか、山を登ると身体の不調を訴える者が多いのですよ。恐らく信心が足りていないという神の思し召しでしょう・・・」


商人はそう言って得意げに話し出す

神聖な山か・・・あまり人族が寄り付かないのであればこれ以上に無い好立地な場所とも言える

私は取り敢えず目的地をあの山に定めた


「そうですね、それでは機会があればまたお願い致します。この度はご依頼頂き有難う御座いました。」

彼にはそう礼を言って来た道を引き返した



3㎞程引き返し、近くの雑木林に身を隠す

そっと辺りを見渡し追跡者らしき者はいない事を確認すると道を外れ、見張りが居ない場所を探す事にした


「・・・ここか。」


あれから約5時間程捜索をし、兵士の少ない場所を見つけた

検問所と検問所の中間地点であり壁も異常に高いからだからだろうか?兵士の緊張感も薄く私の足であれば難無く潜り抜ける事が出来そうでもある


「念のために夜を待つか・・・」


夜であれば視界も暗くなり、より見つけられにくくなるだろうと考え、夜まで身を潜めようとした瞬間に兵士の声が聞こえる


『しかし暇だなぁ・・・』


『そう言うな。これも大事なお役目だ。』


『インスラン神様は誰も来ないこの場所で健気に見張りをしている俺もご覧頂いているのかねぇ~』


『お前、毎日それ言っているな。俺以外に聞かれると不敬で罰せられるぞ。』


『お前相手だから言ってるんだよ。・・・次の交代までもうちょっとあるな。ちょっと休んでくるわ。』


『あ、おい!!』


(今!!)

そう言って兵士の1人がもう1人を止める為に振り返った瞬間に壁を駆け上り飛躍する


『今晩の飲み代は俺が出すからよ、宜しくな~』


『・・・ったく。』


そう言って外に視線を戻した瞬間、音を限りなく出ない様に真後ろへ着地して直ぐに聖国内へ身を投げた



「しかし・・・運が良かったな・・・」


街の中であったなら誰かに見られ騒ぎになっていたかもしれないが着地した場所はうっそうと木が生い茂る森の中だった

森を出るとそこは辺り一面に草原が広がっており、景色が一望出来るも都合がいい


「山は・・・あれか。」

辺りを見渡すと一際高くそびえる山が直ぐに目につく

目算ではあるが本日中に山の麓までは辿り着く事が出来るだろうと考え山の方へ向かって歩き出す


(出来るだけ目撃者は作りたくないな・・・今夜は山の近くで野宿だ。)


正直野宿はあまり好きでは無いが、今はどうしても心が弾む

クロノがこの場所にいるかもしれないと考えると顔がにやけそうになる


(だが・・・)


相手はヴァンパイアの【真祖】だ

眷属化されているかもしれないし、定期的に血を供給させる血袋にされている可能性もある

浮かれてばかりはいられないと自分を叱咤しながら私は山の方へ進んだ






いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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