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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅶ章【アカイケツイノホノオ】
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アカノの疑問と質問


「最近はどいつもこいつもエンチャントエンチャントと・・・無理なことすりゃ命も危ういってのに。・・・お前もそう思うだろブング?」


夜1人で酒を飲みながら答える筈のない人物の名を呼ぶ

酒の味はせず苦い思い出とアルコールで悪酔いしている様な気持ちだ


「あの嬢ちゃんは、多分お前さんよりも強いぜ?だが・・・強い奴はより強い奴に立ち向かわなきゃならん。そんな時に頼れるのは壊れない重厚で質感のある武器だろ?俺ぁお前みたいになる奴とはもう会いたくないのさ・・・」


そう言ってグラスを傾けるとアイツの最後の表情が浮かんでしまっていた




私はギルドに向かい【サンドール商業国】支部長の紹介状を提出し、ギルドマスターに面会を求めた

いつもの通り部屋へ案内され、飲み物を出されて暫し待機すると扉からノックの音が聞こえる


「どうぞ。」


「失礼。お待たせして申し訳ない、私がこの【ギスファール魔導国】に在籍するギルドマスター、ギラン=サーヴィジと申します。」


そう言って一礼してくる男は40代前後の貴族の様な出で立ちをした男性だった


「初めまして、アカノ=エンドロールと申します。急な訪問にも関わらず面会頂きまして有難う御座います。」


「いえいえ、アカノ様の事はルナエラ達からもお伺いしておりますので問題御座いません。」


そう言って席に座りながら形式的にこの国に至った経緯とルナエラへの到着報告を請うていった


「しかし2国もの【名誉騎士】になられるとは・・・通常の冒険者が1国の【名誉騎士】になるのも極稀なことですのに前代未聞な出来事ですね。」


「正直、私としては弟を探す旅をしているだけですので不要なのですが・・・」


そう言いながら苦笑してしまう

この様な態度を別に誰かに伝えられたとしても困る者では無いし本音を漏らす


「しかし聖国とは・・・この国にも隣接してはいますが最低限の交流しかない特殊な国ですからね。」


「まぁ聖国に関しましては護衛で手前まで行くだけですので。」


「えぇ勿論そうでしょうとも。そうで無ければギルドとしても困りますから。」


そう言いながら含み笑いを浮かべる

私もそこら辺が随分上手くなったものだなと自分の事ながら感心半分、自嘲半分で考えてしまう


「ただ護衛依頼という事も有り、自分自身の能力も向上させなければならないと考えているのですが何処かお勧めの武具店等はありますでしょうか?」


「お勧めですか・・・今ですとやはり商店街で1番目立っている店『ロズンド魔道具店』ですかねぇ。品揃えも良いですしエンチャント系の武具も充実しておりますので。」


ギラン氏はそう告げると「ただ・・・」と言葉を続ける


「ただ、武具そのものの品質であれば『ゴーガン鍛冶屋』が圧倒的に良いですよ。今は訳あってエンチャント系は全く取り扱っておりませんが・・・」


やはりあの鍛冶屋は圧倒的に素晴らしい腕を持った店だったようだ

あの剣や武器の数々を見れば納得するが・・・


「まぁ殆どの鍛冶職人は商店や店舗のお抱えになっている中、腕一本で店としては成り立っていますからね。アカノ様がエンチャントされた武具をご希望でなければ非常にお勧めですよ。」


「あの、実は先程にその鍛冶屋へ訪れたのですが・・・何故エンチャントされた武具は取り扱わないのでしょうか?」


私がそう尋ねるとギラン氏は少し驚いた表情を浮かべる


「良く見つける事が出来ましたね?」


「いえまぁ、偶々なのですけれども・・・」


「ゴーガンが何故エンチャント武具を取り扱わないか、ですか・・・」

そう言いながらギラン氏は腕を組んで目をつぶって思案する


「えぇ、あれだけの腕の持ち主です。エンチャントした武具を取り扱えば他の店等と比較にならないと思うのですが。」


「・・・あいつはね、元々はエンチャントした武具を推奨していた張本人なのですよ。」

そう言ってギラン氏は静かに語り始めてくれた

いつも有難う御座います!!

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