クロノと調査の詳細
「【魔王】様、現段階で判明した調査報告を行います。」
数日後、会議室で今後の方針を話し合う
出席者はルーシャ、バルデイン、グーガに家臣たち、ロキフェルとマリトナだ
全員が僕の素顔を知っている為に仮面とローブを外したいのだがルーシャに反対された
理由を尋ねると「あの、その・・・」ともじもじし出すが、最終的に「とにかく駄目です!」と言われてしまった。
「まずは2人の【魔王】を属国化若しくは倒した国、新規の【魔王】が誕生しそれを打倒した国は現状12国の内4国です。この4国には【魔王】様も含まれた数となります。」
・・・これは少ないと考えるべきなのか多いと考えるべきなのか
「ですが、新規【魔王】誕生に関しましては公表する事自体が少なく余り正確ではありません。ですが過去を考えるに多くとも1人が増える程度では無いかと。」
まぁ、新規【魔王】が誕生する事自体が稀という話だしな
「次に魔帝国までの道程で【魔皇帝】若しくは【魔神】になっている可能性がある国は1国だけです。しかし・・・目的地である魔帝国の現【魔王】は【魔皇帝】もしくは【魔神】になっている可能性が御座います。」
成程、ブロウドさんらしい
課題を達成するには避けては通れないという事か・・・
「ルーシャよ、魔帝国とは、如何な国と?」
「あ、お兄さん!!それだったら僕が答えるよ!!」
そう言いながらロキフェルが手を上げる
それからルーシャの意見を聞かずに話を続ける
「魔帝国はね~現魔族領で最強と言われている【魔王】が鎮座されているらしいよ。らしいと言うのがミソなんだけど・・・徹底した秘密主義なんだよね~。」
「分からぬ、と・・・?」
「そう。先ずは自国民であっても【魔王】の姿を見た事が無い。だから自国民は名前は愚か姿形も分からない。それから基本的には魔帝国から侵略は行なわない。でも攻めてきた国に対しては僅か数日で壊滅している。しかも戦った様子が記録されていない。ある日突然、攻められたから反撃した結果、相手国の【魔王】が死んだとなっているだけ・・・」
ゴクリと唾を飲み込んでしまう
駄目だ、少し委縮してしまっているかもしれない
「相手国の【魔王】が死んで魔帝国に吸収されている以上、それは事実なんだろうけど・・・兵の規模も戦闘の様子も【魔王】も何もわかっていないんだ。事実は『魔帝国からは攻めて来ない、攻めたら倒される』
だけ。だから魔帝国は【魔王】間では攻めること自体が禁忌とされている国なんだよ。」
ルーシャの方へ視線を向けると黙って頷く
であれば・・・どんな強大な【魔王】かは分からないがそれまでの道程で僕も強くなられければならない
如何に強かろうが、兵士を数万も率いて侵攻するのは出来るだけ避けたい
「魔帝国を辿るまで、何か国を、要す・・・?」
「3ヵ国、4ヵ国目が魔帝国です。」
であれば・・・
「辿るまでに、【魔神】と、なり得る・・・」
「そうですな。但し魔帝国がこれまで通り侵攻してこない事が前提とはなりますが。」
「左様、【魔王】様を恐れあちらから侵攻してくる事も考えられます!!」
・・・その言葉を聞いて暫し沈黙してしまう
一刻も早く課題をクリアしたいが、焦って皆を犠牲にするのはご免だ
それに【死国ブーザル】を平定させる必要もある
赤髪の女性を早く探したい気持ちは勿論あるが・・・それは彼らの命を差し出す事と等価だとは思えなかった
「ルーシャ、マリトナ・・・我と、【死国ブーザル】へ、赴け。先ずは、平定させよ・・・安寧次第、次の国へ、我は侵攻す・・・」
僕がそう告げるとルーシャは跪き、マリトナはロキフェルに視線で確認してから了承してきた
地盤を固めてまだ見ぬ魔帝国へ思いをはせたのだった・・・
いつも有難う御座います!!
Ⅵ章本編は一先ずここで終了です!!
まだまだクロノ編では書きたい事があるのですが、間章を挟んで次はアカノへ移っていきます
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