コマドリさんのつむぐ詩（うた）～逆さ虹の森のものがたり～

プロローグ コマドリさんのうた

　今日も逆さ虹の森にはきれいな歌声がひびきわたります。

♪逆さ虹　逆さ虹　みんな大好き逆さ虹　わたしたちみんなの逆さ虹♪

　歌はかならずこのフレーズから始まります。

　その声を聞くと、みんな、集まらずにはいられません。

　ちょっと弱虫なクマくん。

　いたずらっこのリスさん。

　いつも仲の良い、タヌキとキツネの夫婦。

　食いしん坊なヘビくん。

　かわいい子供をたくさん連れたニワトリさん。

　みんなの安全を守るイヌのおまわりさん。

　みんなの健康を守るヤギのお医者さん。

　いつもは暴れん坊のアライグマまでが素直にここに来て彼女の歌に聞き入っているのです。

　それもそのはず。彼女、コマドリさんの歌はここで起きたいろんな出来事を歌っているのですから。みんな、気にせずにはいられないのです。

　ここで歌を聞き、思い出にひたるのが彼らの夕方の習慣なのです。

　さあ、今日の歌は誰の事を話すのか。

　少しだけ、あなたも耳を傾けてはいきませんか？