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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お前が勇者だろうと許さない

作者: 薫る柚茶

おのれ勇者は許すまじ改稿版です

「頼む。これ、無くならないように預かって置いてくれ」


幼なじみのアルフが差し出して来たのは、子供用の小さな指輪。


幼児の時分に、村祭りの屋台でアルフが怪しい行商人から“祈りを込めれば願いが叶う”と言う触れ込みで買ってから、ひたすら願い事を続けてきたと自慢している指輪だ。


所謂、ミサンガとかみたいな物だが、確かに何かしらの思いが込められているらしく、ただのイミテーションのガラス玉が、ギラギラと禍々しい輝きを放つ“何か”に成ってしまっている。



「…おまえ、夜店のバッタもんにどんだけ無理難題押し付けた?」


まぁ、禍々しさはともかくとして、問題は他にもある。


「それ以前に、こうゆう形ある物は女の子に残しゆくべきだと思うんだけどな」



「…そうだけど。この村“女の子”なんか居ねえし」


まぁ、お前普通にモテそうなのに、この村年の近い女の子いないからな。


下はゼロ歳から上は米寿。

未亡人と幼女は存在すれど、少女・美少女・美女がこの村にはいない。


10位の時に、二人でノゾキを決行したが、ご近所の姉さんにに“お風呂もらいにきた”と思われてサッパリして帰らされたただけだったわ。


しかも、幼なじみは俺とコイツの二人だけだ。秘密にしてる願いが“女の子の幼なじみがほしい”だった事くらい予想がつく。


オレも欲しかったわ。今更叶うわけもないから、諦めて嫁捜せよと思わなくもない。


隣村も微妙だから、オレは嫁捜しで苦労しそうだよなぁ。


「預けたいなら、この木の枝の先にでも引っかけてくれ」


「身に着けろとは言わないけど、扱いがひでぇ…」


「そりゃ仕方なかろうよ」


「…チクショウ。いつか後悔させてやる」



枝の先に引っ掛けてきた。

俺はコレを身に付けて持ち帰る気はないが、預け(押し付け)た相手に後悔させてやるとか何言ってんだ。


この色気もない状況。


このイベントを決行したお前と幼なじみな事に後悔してんぜ?

夕暮れ時に呼び出されでもしてたら翌朝には絶望感で首くくってるかもな。


さて。神殿に預けるか、このまま手近な肥溜めに鎮めてしまおうか。


「ごめん。もしかしたら、枝のが家まで保たないかも」



「馬糞ぶっさしてんじゃないんだから、ちゃんと受け取ってくれよ?!」


素手で触ったらエラい目に合わされそうなアイテム作った自分を呪えよ。


「よく考えたらさ」


「ん、なんだよ」


「餞別代わりに、ウンコ投げつけられた方がまだ増しな気がするぜ?」


「さっきから、大事にしてくれって頼んでんだろ!?」


いやマジで、幼なじみ男なのに、使い古した指輪を残してくとか何考えてん?


まぁ仕方ないから預かることにしたのだが…。


異様な寝苦しさに襲われ夜中に何度も目を覚ますことになり、四回目でいよいよ窓から棄てた。


完全に呪いのアイテムになってやがった。



翌々日。奴は“解せぬ”と呟きながら冒険者になるために街へと旅立っていった。


―おう。


解せぬのはコッチだ?


それから暫くしての話になるが、体内の魔力が失われ続ける魔力枯渇病と呼ばれる、村人では滅多にかからない病に掛かってしまった。


精神的なストレスによるものから始まる事の多いらしいが、基本的に魔法を使い過ぎないとならない病気らしい。


村人のオレは魔力渦を起こす前の段階に留まり、魔力が体内から失われる魔力枯渇病になるのだが、魔力が高いものは、魔力渦を起こし魔力暴走を起こし自爆してしまうケースもあったりするのだと言う。


運がいいのか悪いのか、能力の低さに感謝をするつもりは毛頭ない。


とりあえず、不治の病ではないから、体内の魔力が安定するまでは、室内で安静にしていなければいけないと、最近村に派遣されてきた神官様に言われた。

まぁ、正直。派遣された神官様がイケメンすぎて、いけ好かないと心の中で告げておく。


女の人派遣して来いよ。イケメンが、毎日優しげに微笑みかけてきたりとか、ほぼほぼ胡散臭いだけでござる。


とりあえず。なんか夜中に窮地に陥って高い魔力に目覚めたりするかも知れない。

そのまま早々に自爆して果てる可能性もあるので、今話の際には、幼なじみに辞世の手紙でも送りつけてやろう。


いざさらば 押し倒された イケメンに


けどさ、安静にの期間が割と長引いてたら、祈祷師や巫女装束の旅人が来ては「この家の近辺から、強い澱みを感じました」と近隣をお祓いをしていく事になる。


あの時投げ捨てた指輪を見つけ出され何故にか神殿の奥深くに封印される事となった。


その後、体調は元の通りに戻ったのだが、その頃には奴が勇者として活躍しているだなんて噂が流れていた。



そして、半年ほど過ぎたある日。フと気がつけば、違和感が無いくらいに緩慢な速度と巧みさを持って、部屋で病気養生していたオレの姿は、奴の望んだ幼なじみの女の子にしかみえなくなっていた。


家族は気付いていたが、“気にしておらず”イケメン神官は同じ宗教の巫女集団に立場をとって替わられてやがった。


いや、アイテムの呪いが止めらなかったとか悔しそうにしてたけど先に教えて欲しかった。


奴は、ホントに何て物を置いてきやがったんだ。


タイミング良く、奴から帰郷する旨の手紙を寄越したので、いつ合っても大丈夫なように、谷間にナイフの一つも仕込んでおこうと思った。


―お前が勇者だろうと許さない。


おわり。

だいぶ中身代わりましたのでタイトルも変わりました

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