世界
ありのままでいいと言ってほしいの
ありのままでいいと言ってほしいの
どれだけ願っても
どれだけ苦しんでも
どれだけ悲しい気持ちになっても
そう言ってくれる人は現れなくて
自分から踏み出さなきゃ変わらないってわかってはいるのだけど
そんな勇気もなくて私は俯いてばかりいる
俯いてばかりの私はよく人にぶつかって
目も合わせられない私はただ頭を下げて謝るだけ
だからかな みんな私を一瞥したかと思うと何も言わずに立ち去っていく
私がおかしいの?
私が臆病すぎるの?
私が全部悪いの?
そうかもしれない
きっとそうなんだ
そうにちがいない
ほら また暗いこと考えて
下を向いてるからぶつかってしまった
私は驚いていつものように頭を下げて謝る
そして目の前の人はいつものように一瞥をくれて立ち去る
そう思っていた
そう思い込んでいた
いつもと同じだと
昨日までと何も変わらないと
でも今日は違った
今日だけは違った
その人は一向に立ち去る気配がなくて
どれだけ待っても立ち去ってはくれなくて
不審に思った私がありったけの勇気を出して恐る恐る顔を上げると
その人は私の目を見て口を開いた
顔を上げて そうすれば前に進めるから
前を向いて そうすれば何も怖くないから
その言葉で
その笑顔で
私の心からあたたかい何かが溢れだした
その言葉で
私の世界は虹色に色づいた
その言葉で
私は世界が愛おしくなった