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仮題すら思いつかない  作者: 夏目棗
第二章 計画
9/10

Planning 2


「それでは、イェルク様。月がもう少し欠けてきましたら魔力制御の練習を始めましょう。コツを掴むまでは大変ですが、コツさえ掴んでしまえば後はお1人でも練習ができますからの。」


「そうなんですか?」


「えぇ、魔力制御は最初が一番難しく肝心なのです。」


「ぼ、ぼく頑張ります……!先生、どうぞご指導よろしくお願い致します。」


「ほほほ、私はそこまで魔力制御に長けておりませぬから、旦那様に私よりも魔力制御の上手い者を紹介しておきますな。」


「はい!ありがとうございます!」


今思えばこの時は興奮しすぎていた。少し考えれば魔力制御を教えてくださる方はお医者様とは別の方だとわかっただろうに。



そうして私のもとにやってきたのがお師匠様であった。お師匠様は名前を呼ばせてくれないしお師匠様も私のことを名前では呼ばなかった。


「本日より貴殿の魔力制御の講師を務めます。よろしくお願いしますね。」


お師匠様は好々爺然とした人であったし事実、厳しくも気のよいお人であった。


「はい、よろしくお願い致します。ぼくはイェルクと申します。どのようにお呼びすればよろしいですか?」


「ご丁寧にどうもありがとうございます。残念ながら、わしは貴殿に名前を教えることができません。どうか、わしのことは師匠とでもお呼びください。」


「どうしてできないのですか?」


「どうしてもですよ、魔力制御ができるようになれば自然とお分かりになるでしょう。」


「わかりました……。それではお師匠様とお呼びします。ぼくのことはお師匠様の好きなようにお呼びください。」


「では、わしは貴殿を弟子と呼ぶことにいたしましょう。それでは、まずは自分の魔力を感じるところから始めましょう。これができなければ魔力制御など夢のまた夢ですよ。」


「はい、よろしくお願いします!」


こうして私の修行の日々が始まった。


「では、まずは目を閉じて。そう、そうしたらそのまま瞑想せよ。弟子よ何か感じるモノはあるかな?」


「……いえ、何も感じません、お師匠様。」


「ふむ、いきなりでは難しかったか。今度はわしが魔力を渡すからその魔力を感じてみなさい。そしてその感覚を覚えておきなさい。」


「はい、お師匠様。……!」


「わかりましたかな?」


「はい、何か温かいものが流れ込んできました。これが魔力ですか?」


「おぉ、弟子は筋がよいようだな。そうだ、それが魔力だ。その感覚を忘れるでないぞ。」


こんな感じで始まった修行はその後2年間続いた。お師匠様によるとこれでも早い方出そうだ。

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