表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮題すら思いつかない  作者: 夏目棗
第二章 計画
8/10

Planning 1


アルに初めて会ってから悩んでいるうちに満月になってしまった。月が満ちると魔力が高まるため、私は集中して解決策を考えられなくなっていた。


「ふむぅ……、やはり魔力制御を覚えてもらわなければなりませんね。そうすれば月が満ちてもここまで体調を崩さなくなると思います。」


「まりょくせいぎょ……ですか?」


「はい、そうです。イェルク様は魔力がとても多いですから通常よりも制御が難しくなると思いますが、これを覚えなければ魔法が使えないですからね。」


「魔法……魔力制御ができれば……ぼくも使えるようになれますか…?」


「えぇ、えぇ、もちろんですよ!イェルク様も魔法に興味がおありでしょう?」


私はすぐには答えられなかった。

この世界に魔法があるのは知っていた、だけれど自分には関係ないことだと考えていたからだ。


なぜなら記憶の中の私は魔法が使えなかったからだ。だから、今まで解決策を考える時にも魔法のことは考慮していなかった。


「……イェルク様?」


「っ!すみません、つい興奮してしまって!はい、ぼくも魔法が使いたいです!父様みたいに……」


「そうですか、大丈夫。きっと素敵な魔法が使えるようになりますよ?もちろん、イェルク様の努力次第ではありますが……ね?」


そう不敵に笑いながらお医者様は私に言ったのだった。


「ぼく、魔力制御の練習がんばります!」


そう言いながらこの時すでに私の頭の中にはある魔法のことが浮かんでいた。


それが召喚魔法であった。


一口に召喚魔法と言っても実際には、どのような召喚をするかによってかなり違いがあるのがこの魔法の特徴である。


まず1つ目は【召喚には魔力がそんなにいらないが、召喚後は送還まで継続的に魔力を消費するタイプ】である。


このタイプはわかりやすく言うと【召喚している間ずっと少量ではあるが魔力を供給し続けなければならないタイプ】である。


ちなみにこのタイプの召喚獣は小型のものが多い。召喚獣にとって魔力とは人間にとっての食事であることを考えると仕方がないことだろう。


小型の召喚獣は魔力を身体に貯め込めなく、かといって中型以上の召喚獣を召喚するには量が圧倒的に足りないのだ。


このタイプは魔力がそこそこあって長期的に召喚していたい場合に選ばれる。要するにペットである。


というのも大抵のこのタイプの召喚獣はあまり強い力を持っていないからだ。


2つ目は【召喚には大量の魔力が必要だが、召喚後は魔力の必要がないタイプ】である。


このタイプはわかりやすく言うと【召喚前に送還までの期間を決め召喚時に必要な魔力を先払いで渡すタイプ】である。


このタイプの召喚に応えるのは中型〜大型の召喚獣が主である。


彼らは主に戦闘時に切り札として扱われるため、超短期契約であることが多く。また、魔力をそこそこ捧げるため火力が高いことが多い。


そして最後が【召喚に大量の魔力が必要で召喚後も継続的に魔力を与えなければならないタイプ】である。


このタイプの召喚獣の種類は召喚した人の気質によることが多い。


たとえばその人が強い力を欲しているならば強い力の召喚獣をその人が誰かを守り助けたいと思っているならば治癒能力の高い召喚獣が出てくるのだ。


つまり、このタイプは私の目的を達成するために極めて有効的な手段であったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ