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忘却オルゴール  作者: たかだ よしまさ
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怒れない男 4

そんな普通とは言えない日常を過ごしていくにあたり、Y次郎は一つの確信にたどり着くのであった。物や壁が破裂する時は必ず、Y次郎自身が癇癪を抱えていたのだ。


オフィスからの帰宅時、ホームにてY次郎が並んでいた電車待ちの列に一人の中年男性が割り込んできた。なんだよ、皆順番に並んでいるのに勝手な人だな!と、ため息をついた時、Y次郎のすぐ横にあったペットボトルのゴミ箱が吹き飛んだのだ。


また休日に自動車を運転している時、公園でサッカーに夢中になっていた子供達が路上に出てしまったボールを追いかけてY次郎の目の前に飛び出してきた際は、子供達は無事であったがサッカーボールは粉々に破裂してしまった。


ボールがY次郎の運転する自動車のタイヤに当たったからではない。そうであるなら、運転しているY次郎がボールが破裂する瞬間を見れるはずがない。なぜなら、自動車のタイヤは運転席からは死角であるからだ。


他でもなくY次郎が、驚いた!危ないじゃないか!謝りもしないで、お前達をはねたら悪人になるのはこっちなんだぞ!と怒りに震えた瞬間にサッカーボールが破裂したのだ。


Y次郎が癇癪を起こしたり、怒りをあらわにすると周りの物や壁が破裂したり、壊れてしまう。こうしてY次郎の特殊な能力は突如、本人の意思とは関係なく開花してしまったのだった。

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