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忘却オルゴール  作者: たかだ よしまさ
6/12

怒れない男 3

Y次郎は自宅のマンションに帰ってくると乱暴にスーツを脱ぎ捨て、柔らかなソファーに身を投げ出した。


「くそ、なんだってアイツはあんな簡単な書類整理ができないんだ!こっちはしっかりと商談を取り付けたってのに!」


Y次郎は真面目な若者だがムシャクシャすると、どうしても自分の感情をコントロールできない節がある。


乱暴にカバンを床に叩きつけ、部屋の隣人の迷惑も考えず壁を拳で強く殴りつけた、その時。


部屋の蛍光灯が内側から爆発したかのように砕け、弾け飛んだのだ!。


「うわ!な、なんだ?ショートしてしまったのか?」


幸いにもスペアの蛍光灯があったため、その夜は不自由をする事はなかった。しかし、その日からY次郎の身の回りで物が破裂するという事態が頻発し始めた。


最初はY次郎も、まさかスナイパーに命を狙われているのでは?と恐怖したが、その心配はすぐになくなった。なぜなら、十回以上同じシチュエーションに遭遇しているのに実弾はY次郎には命中せず、近くの物や壁に命中しているかのようであったからだ。


もしこれがプロのスナイパーの仕業なら、その看板は降ろすべきであるし、そもそもY次郎自身も商社内でまだまだ二年目の若者、要職には程遠い人材で命を狙われる覚えが全くなかったからだ。


しかし、Y次郎は疑問を拭えないでいた。命を狙われていないのだとしたら、なぜ自身の周りで頻繁に物や壁が破裂するのか理解できなかった。

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