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クラウン  作者: あまひら。
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序章

 序章


 ーーー海の音が聴こえる。

 荒い波に揉まれ、今正に別れを告げようとしている祖国のことを思い返した。

 煌々と降り注ぐ光。

 エメラルドグリーンに輝く透き通った湖。

 青く突き抜けた空に、白く、堂々とした入道雲。それを背景にそびえる荘厳そうごんたる王宮。何もかも、もう見ることが出来ないものだ。

(ーーーだが私は還る)

 例え何百年、何千年かかろうとも、私は還らねばならぬ。

 懐かしい故国へ。

 ーーー彼処が、私の居場所。



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