表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/47

命主主義的選挙制度

ようやく神様が俺に名前を教えてくれた!!

「おおい るめ」って言うらしい。

神様らしくない、普通の名前だ。

しかも、日本人みたいな名前。

もっと万国共通的な名前かと思ったのに…

俺がその名前を呼んだら、

女神の奴、笑っていやがった。

もしかしたら、俺は化かされたのかも知れない。



さて、命主主義っていう

新しいイデオロギーを掲げた俺だったが、

早速国会で、こんな質問をされた。


「民主主義から命主主義に移行して、選挙制度はどのよう変わるのか?」


良い質問だ。

では、お答えしよう。


命主主義の選挙制度は実に簡単だ。

選挙区は、行政区分をそのまま活用して設ける。

そして投票は、これまで通り、

その選挙区で得票数が多い順に当選とする。

いわゆる中選挙区制度だ。

選挙区の当選者数は、

その選挙区の面積に応じて決定する。

人口ではない。面積だ。

以上で命主主義の選挙制度の説明は終わりだ。


はい!! ツッコミどころ満載ですね。


とりあえず、一番多い反論は、

一票の格差についてだろう。

そんなくだらない問題は、

命主主義においては発生しない。

そもそも一票の格差の問題は、

主権が人間に限定されていたからこそ

起きる問題である。

命主主義では、全ての生命の主権を前提とする。

人類は、その代表者として首権者となる。

立候補者は、その選挙区の生態系を代表して立候補し、

投票権者は、その選挙区の生態系を代表して投票する。

そういう理屈である。

だから、この命主主義的な選挙制度の場合、

人間に限らず、全生命が対象なので、

一票の格差なんてくだらない問題は、

発生しないのである。


まあ、現行制度で言えば、

国民主権が基本なわけだから、

一票の格差の問題をくだらないって言うと、

怒る人もたくさんいるだろうけど、

地球規模で物事を考えると、

人間の人間による人間だけの問題であり、

人間本位な内々の問題なので、

そういう意味ではくだらない葛藤なのだ。


ちなみにこの面積には、日本の領海も含まれる。

排他的経済水域じゃなくて、領海ね。

生態系を考えるって言ってんだから、

陸の上だけじゃなくて、

海の事も考えなくちゃね。



まだツッコミどころはある。


この制度だと都市部は不利になる。

面積は狭いのに人口は多いからだ。


「全生命に主権を認めて…なんて言っても、税金を払ってるのは人間だぞ。ほかの命は税金を払ってるのか!?」


はいはいはいはい…

相変わらず視野の狭いご意見ですね。


税金? じゃあ、払わなくていいから、

命で払ってもらいましょうか?

人間は、他の命を殺して、

その血肉を使って生きていますが?

人間が食べるものや作るものの全ては、

自然界からの略取によってのみ得られる。

この事実を忘れないでください。

こんな反論をするような奴は、傲慢でしかない。

つまり他の生命は、金を払えば済む人間と違って、

その命を捧げて、人間の社会秩序に貢献していますが?

相変わらず、人間は人間本位で勝手だね。

まあ、自分本位であるのは、

生きていくために必要な本能の一種だから、

それを完全否定なんて出来ないし、

むしろ俺は肯定しようと思うけれども、

筋は通して欲しいものだ。

もう少し人間は、視野を広く持って

様々な事を議論すべきだと思う。



それでも、不満は多いだろう。

お金は人間本位のもので、

他の生命はその血肉で国を支えていると言っても、

現実的に人間の社会秩序を動かすのは、

お金と言う仕組みである。

命主主義になっても、政治や経済など、

人間社会を動かすのは金銭であるし、

お金という仕組みが、

社会秩序を安寧にする有用な制度となっている事も

厳然たる事実である。

これを否定するつもりはないし、

理屈だけでこれを否定したら、

社会秩序は破壊される。

それでいて、確かに税金は人間だけが払う形になる。


その現実を無視して、

このまま命主主義の選挙制度を導入したら、

当然の軋轢(あつれき)が発生する。


しかしご安心あれ!!!

そんな事が解らないワシではなぁ~い!!


この問題は、行政区分のあり方を改革し、

行政改革で新しい政治体制を確立して、

新しい概念に基づく経済体制を整えれば、

あっさりと解決する問題である。

総理大臣である俺に任せとけば

ダイジョーV!!


では、その新しい行政区分とは?

新しい政治体制とは?

新しい概念の経済体制とは?

予告だけしてしまうなら、

県州制、五権分立、三立経済の導入である。

これが新しい日本を創るキーワードである。


ただ、その説明は、順を追って、

長い説明をしていかなければならない。

まあ、国の改革なんて一長一短ではいかない事は

国民も解っているだろうから、

とりあえず気長に俺と付き合ってもらおう。



あ、ちなみに…


比例代表制なんてくだらない制度は廃止する。

あれは、死に票を多く作らないために考え出された

そういう意味では利点のある選挙制度だが…

候補者に直接投票できない時点でアウトだ。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ