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実は大して変わらない大日本国帝国憲法と日本国憲法

お前ら、大日本帝国憲法を読んだ事があるのか?


戦前と言うと、

自由が無くて抑圧ばかりされていた…

そんな印象を持つ人が多い。


とんだ差別偏見主義者だ。

無礼千万もはなはだしい。

そういう差別主義者こそ、

俺は排除されるべきだと思っている。


大日本帝国憲法を読むと、

意外と現在の日本国憲法と

内容がほとんど変わらない事に驚かされる。

特に国民の権利については、

現在の日本国憲法は、

その多くを大日本帝国憲法より継承している。



大日本帝国憲法 第18条

日本民たるの要件は法律の定むる所に()


日本国憲法 第10条

日本国民たる要件は、法律でこれを定める。


この条文は、言い方を変えただけで、

大日本帝国憲法時代と全く変わっていない。

ただ、戦後の日本国憲法は、

国民主権や基本的人権をかかげながら、

その主権者たる国民の要件について、

そのまま踏襲しているというのは、

日本国憲法の最大の欠陥のひとつである。

せめて、これくらいの条文にしてほしかったものだ。


 日本国民たる要件は、主権者たる国民の地位と名誉、

 また基本的人権が最大限に守られるようにして、

 法律でこれを定める。


こうした事実を知らされて、

日本国憲法に失望する奴は多い。


また、大日本帝国憲法では、

国民に対して、こんな権利や自由を保障していた。

現行の日本国憲法と比較しながら

検証していこう。



大日本帝国憲法 第22条

日本臣民は法律の範囲内において居住及び移転の自由を有する。


日本国憲法 第22条

何人(なんぴと)も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。


皮肉にも条項も同じ位置にあるが、

居住や移転の自由は、戦前にも保障されており、

日本国憲法は、これを継承している。

もっとも日本国憲法は、

職業選択の自由まで条文に加えている。

これは逆に御座なりぶりがひどい。

これは、条項を分けて定めるべきところだろう。

居住移転の自由と職業選択の自由は、

内容が明らかに違うからだ。

この御座なりぶりは、

実は、大日本帝国憲法よりも、

日本国憲法の方が粗雑であることを

象徴するものとなっている。

それを説明する前に、

他の条文も比べてみよう。



大日本帝国憲法 第23条

日本臣民は法律に依るにあらずして逮捕監禁審問処罰を受くることなし


日本国憲法 第31条

何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若()しくは自由を奪はれ、又はその刑罰を科せられない。



大日本帝国憲法 第24条

日本臣民は法律に定めたる裁判官の裁判を受くるの権を奪はるることなし


日本国憲法 第32条

何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない



大日本帝国憲法 第25条

日本臣民は法律に定めたる場合を除く(ほか)()の許諾なくして住所に侵入せられ及び捜索せらるることなし


日本国憲法 第35条

1項・何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、(中略)令状がなければ侵されない。

2項・捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する格別の令状により、これを行ふ。



大日本帝国憲法 第26条

日本臣民は法律に定める場合を除く外信書の秘密を侵さるることなし


日本国憲法 第21条2項

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



大日本帝国憲法 第27条

1項・日本臣民は其の所有権を侵さるることなし

2項・公益の為必要なる処分は法律の定むる所に依る


日本国憲法 第29条

1項・財産権は、これを侵してはならない

3項・私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。



大日本帝国憲法 第28条

日本臣民は安寧秩序を妨げず及び臣民たるの義務に背かざる限りにおいて信教の自由を有する。


日本国憲法 第20条1項

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。(後略)



大日本帝国憲法 第29条

日本臣民は法律の範囲内において言論著作印行集会及び結社の自由を有する


日本国憲法 第21条1項

集会、結社及び言論、出版その他の一切の表現の自由は、これを保障する。



大日本帝国憲法 第30条

日本臣民は相当の敬礼を守り別に定むる所の規定に従ひ請願を()すことを得る


日本国憲法 第16条

何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別的待遇も受けない。



見ての通りだ。

日本国憲法は、大日本帝国憲法を踏襲し、

補完しただけに過ぎないのだ。

戦前と戦後では大きく変わったなんて教えられてきたが、

実は、大して変わっていない事に気づく。

実際はそうではなく弾圧や言論統制もあったというだろうが、

それは運用、つまり行政側の問題であって、

法律自体の問題ではない。

つまり、日本国民の自由や権利の概念は、

明治維新の100年も前から、

アメリカから押し付けられる以前から

日本に根付いていたものなのである。


しかも、日本国憲法には自由や権利の面で、

大日本帝国憲法にも劣る点が存在するのだ。

それが、次の条文である。



大日本帝国憲法 第19条

日本臣民は法律命令の定むる所の資格に応じ(ひとし)く文武官に任ぜられ及び其の外の公務に就くことを得る。


これは、公務員になる権利を保障した条文だが、

意外なことだが、日本国憲法には、

明記されていない、

保障されていない権利なのである。

こんな当たり前の事が、

日本国憲法にはないのである。

これは、大日本帝国憲法にも劣る

日本国憲法の最大の欠陥のひとつである。


日本国憲法には、国民が公務員を選定する権利や

公務員による抑圧を防ぐ条項はたくさんあるが、

そっちにばかり気を取られて、

肝心な事を明記し忘れてしまったのである。

なんという怠慢だろうか。

日本国憲法に明記された

職業選択の自由の保障(日本国憲法第22条参照)が、

これに当たるという反論もあるだろうが、

これで保障されたとするのは、

法的不備を反省しないさらなる怠慢であるし、

しかも、これは居住移転の自由という

別個の話と一緒くたにされた

御座なりな条文の中にあるものだ。


公務員になる権利を明記した大日本帝国憲法と比べて

この職業選択の自由の話をもって

これに代わるというのであれば、

法律としての日本国憲法の存在意義の否定である。


これでも護憲と言う馬鹿がいたら、

それは政治ではなく宗教である。

それこそ日本国憲法を聖典とし、

神に与えられた言葉であるかのように、

変えられる事を拒んでいるだけで、

政治討論の域ではない。


憲法は法律である。

法律とは人を拘束する秩序の根幹である。

だからこそ時代の変化や、

イデオロギーの発展に応じて、

変えていかなければならない。









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