中国の国の軍隊ではない中国軍の正体
豊城内閣の支持率が発表された。
支持率75%らしい。
100%じゃないんかい!?
本当に中途半端な女神様だ。
ただ、中途半端とはいえ、
ここまでは順調に政権を運営出来ている。
そうだったのに…
俺の政権になって、
最初の障害が海の外からやってきた。
日本の領土である尖閣諸島周辺海域に、
中国海軍の艦船が出現したというのだ。
日本からは海上自衛隊と海上保安庁が出動。
海上自衛隊は、対艦(対艦船)ミサイルと、
対潜(対潜水艦)の魚雷を搭載した航空機
P-3C哨戒機も出動。
中国海軍の艦船は、間もなく海域を離脱した。
最近、尖閣諸島に中国が絡む事件が多い。
だが…
俺が総理大臣になった限りは、
今までのように甘い対応はしない。
「今度出現したら撃沈させてやる!!!」
…と威勢のいい事を言いたいところだが、
そうはいかない現実を
悲しいかな、俺は知っている。
まず、これは昔からの不文律だが、
仮に戦争をするのであれば、
必ず、落としどころというものを考えなければならない。
これも考えないで武力行使とか言ってる奴は、
話にならない。
尖閣諸島に来た中国艦船を仮に撃沈したとしよう。
そしたら、当然中国も引くわけにはいかないから、
戦争になるだろう。
中国の戦争の落としどころは簡単に決められる。
尖閣諸島を占領し、実効支配できれば、
それが落としどころになる。
では日本側は、どこに落としどころを持っていくのか?
中国側が尖閣諸島を放棄するか、
尖閣諸島を占領する戦力を撃滅すれば
それが戦争終結の落としどころとなるが、
それは日本に可能なのか?
例えば、通常戦力で言えば、
今のところは、装備も人も日本の方が上だ。
ただ、数で言えば中国の方が圧倒的に上。
しかも、尖閣諸島は、
中国の戦闘機の戦闘行動半径の内側にある。
いくら質で上回っても、
中国の圧倒的な数を相手に戦争が出来るかと言えば、
在日米軍を動員したところで難しい。
それに、日本には中国と戦争して
戦い抜くほどの戦争物資の備蓄がない。
特に弾薬備蓄量は10万トン程度と報告されている。
こんな数字だけ出されても解りずらいだろうが、
中国と戦争をしたら1週間くらいで、
自衛隊の弾薬は尽きる程度なのだ。
戦闘状況の想定によって、
戦争継続可能期間の長さは、
最大で3ヶ月くらいまで見る事は出来るが、
中国のような大国と戦争すれば、
せいぜいそのくらいが限度だろう。
自衛隊は、訓練用の弾薬にさえ枯渇するほどなのだ。
有名な川柳がある。
たまに撃つ 弾が無いのが 玉に傷
ミサイルの実射訓練なんて、
1年に1発撃てれば良い方だ。
こうした実情も知らないで、
戦争しろだの、
逆に自衛隊は戦争をするから危険だの、
無責任な事をいう奴がいるが、
本当に無知蒙昧もはなはだしい…
そして中国には核がある。
中国が、この核を使わないで、
敗北をするという事は考えられない。
敗北しないための核なのだから、
当然使ってくることも想定しなければならない。
そしたら、ますます落としどころなんて無くなる。
日本は尖閣諸島を実効支配しているからこそ、
逆に落としどころが難しいのだ。
向こうから手を出してくるのならば、
いくらでも政治的に世界を動かして、
落としどころを探る事も出来るが、
いくら自国の領土だからと言って、
こちらから手を出すわけにはいかないのだ。
何より中国軍は恐ろしい。
近年軍事費を急増させて、
軍備を増強している事もそうだが…
何が恐ろしいかと言えば、
中国軍は普通の軍隊ではないのだ。
普通、軍隊というのは国が保有するものである。
これを国軍という。
ところが、中国軍は国軍ではない。
正式には人民解放軍と呼ばれる中国軍は、
共産党という1政党が保有する軍隊なのだ。
中国は、共産党の一党独裁で有名だが、
それを可能にしているのは、
共産党という政党が軍隊を保有しているからである。
つまり共産党は、それ自体が軍閥であり、
共産主義と言う政治思想を持っている軍隊なのである。
こんなに恐ろしい話はない。
これが共産主義思想の恐ろしいところだ。
そして、その中国軍は核兵器を保有している。
国軍でもない軍隊が核兵器を保有する世界で唯一の国が中国
これが、中国軍の最も恐れるべき実態である。
仮に中国で、共産党支配が崩壊したら、
中国軍は統制を失う事になる。
核兵器を持つ軍隊が統制を失うなんて、
そんな事を考えるのも恐ろしいが、
世界が中国の共産党一党独裁をやめさせられない最大の理由が、
ここにあるのである。
我々日本は、これを考えて、
安全保障を考えなければならない。
話し合って友好関係を深めれば、
おのずと平和になるなんて楽観論は、
現実逃避の妄想に過ぎない。
もっと現実を知って対応しなければならない。
とりあえず、尖閣諸島の問題については、
俺は、尖閣諸島に海上自衛隊と海上保安庁の基地を作り、
中国を牽制しようと思う。
そこは遠慮する必要はない。
実効支配しているのだから。
そのあとで、尖閣諸島を積極的に商業利用するとしよう。
日本が先に手を出せないのと同じように、
中国もまた、先に手を出せば、
政治的に敗北する事を知っているのだから。
戦争をしないで勝つために、
平素から備えておくのが、
古来からの常道である。