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今日から俺が総理大臣  作者: やいたもん
第五章 国防論
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軍事ばかりが安全保障ではない

安全保障と言うと軍事ばかりが注目されがちだ。

第9条の議論で先に進まず、

災害や人災が発生してから、

改革には着手しようとはしない。

だが、これを政治家の責任と押し付ける国民がいたら、

ただちに主権を放棄してもらおう。


確かに無能な政治家は多かった。

だが、それを選んだのは国民だ!!

…なんて、つまらない事を言うのはやめよう。

言うまでもなく政治家も国民も、

その辺くらいの事は自覚しているものと信じよう。


ただ、これだけは言っておきたい。

第9条の言霊信仰に帰依して、

危機管理に関する議論を封殺するかのような

風潮を作ってきた事だけは、

日本国民は大いに反省するべきである。

第二次世界大戦における反省とか、

核とか軍事とか、議論する事すらも許さなかったのは、

そうした国民の風潮である。

これは政治家ばかりの責任ではない。





まず、第二次世界大戦における反省という点についてだが、

そもそも、戦争に正義と悪などない。

正義と悪は、あくまでも、

秩序のために定めるものであり、

絶対正義や絶対悪などというものは存在しないのだ。

もし、そんな二元論者がいたら、

哲学と言うものを幼稚園からやり直した方がいいだろう。

正義や悪なんてものは、

ものの見方でいくらでも変わるものだ。

あえて戦争を正義や悪という言葉で表現するならば…



 戦争とは正義と正義の戦いである



お前らは、自分が正義と感じない事に、

命をかけて戦えるのか?

太平洋戦争という事で言うならば、

日本人もアメリカ人も、

自分の正義を信じて戦ったのだ。

だからこそ、命がけで戦えたのである。

これは、互いが互いを理解すると言う事でも重要だ。

なんでそうなったのか、

自分の思いを主張出来るのと同時に、

相手の思いを理解してこそ、

相互理解は深まるものである。


そして大戦では、結果として日本が負け、

日本が悪と言う事になったが、

それは倫理ではなく、秩序のためである。

秩序を安寧とするためには、

悲しいかな、事の是非を定めなければならない。

日本が悪だと言う者に聞くが、

ならば、アメリカは正義だったのか?

そうではないだろう。

だが、日本もアメリカも悪であり、

戦争とは、悪と悪の戦いである!!

…なんて幼稚な事を言ってる奴がいたら、

そいつぁ、大笑いだ。

世界のどこに…



 私は大魔王だ。世界を征服してやる!!

 ぐわっはっは!!



…と、悪を宣言して戦争をした国があるだろうか?

正義とは、大義名分であって、

倫理的に絶対的に正しい事とは別である。

正義にも悪にも絶対は存在しない。

あるのは、秩序のために存在する

倫理における相対論としてのそれだけである。

この辺が理解出来ない奴は、

戦争を反省しろとかいう資格はない。

あまりにも幼稚で未熟すぎるからだ。


私は、正義という言葉があまり好きではない。

なぜならば、誰かや何かを

悪と定めなければ、正義を名乗れないからである。

あなたは、それでも正義が好きか?




話を戻そう。


戦争に至るのは、危機管理を始めとして、

それらの安全保障のシステムが未熟だからである。

政治も含めて、これらを積極的に議論し、

そうしたシステムを確立していってこそ、

戦争を始めとした人災を避ける事が出来るし、

仮に人災や天災が発生しても、

被害最小にして、早期解決が計れるのである。


日本人が第二次世界大戦において反省すべきは、

戦争をしてしまった事ではなく、

犠牲者が出る前に、問題を解決させる事が

出来なかった事である。

では、その反省は出来ているのか?


残念ながら出来ていない。

第9条を聖典のように崇め、

安全保障の議論を封殺してきた時点で、

何も反省できていない。

だからこそ、人災や天災が起きるたびに、

多大な犠牲が出てしまうのである。




安全保障は軍事ばかりではない。

戦争なんてものは、人災の内のひとつでしかない。

人災には、事故もあれば、環境破壊などの問題もある。

災害には天災もあり、最近で言えば地震や津波、

台風などの気象災害や火山なども想定される。


こうした事態に対応するには、

自衛隊を始めとした既存の組織の活用だけでなく、

環境問題などに精通した専門の部隊、

環境保安隊という

新しい概念の組織の創設も必要になってくるだろう。

この環境保安隊は、時に高価で、

経済的な観点から普及が困難にもなりうる

環境技術の製品の恒久的な需要となる事も目指した組織である。


また最近は、インターネットが発達して、

サイバーテロやサイバー攻撃、

あるいは犯罪と言うものが増えてきたが、

単純に警察組織を強化して対応するだけでなく、

これにも専門の組織である

識軍(しきぐん)の創設が必要になってくるだろう。

要するに情報軍の事である。


また、そうした災害だけでもない。

安全保障には、経済的なものある。

経済が破綻すれば、生活が崩壊し、

それが秩序を乱す事もある。

経済破綻から大戦に至った歴史は、

忘れてはいないだろう。


こうした幅広い観点から安全保障を再構築し、

この根幹となる憲法を定めなければならない。


では、最後に私の安全保障に関する

憲法草案を示す事としよう。







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