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今日から俺が総理大臣  作者: やいたもん
第五章 国防論
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アメリカに核保有を放棄させる簡単な方法

どうすれば、明治維新を世界規模で実現出来るのか?

実は、これも口で説明するのに非常に簡単な方法がある。

それは、アメリカに核保有を放棄させればいいのである。

実に簡単な事だが…

たぶん、ほとんどすべての人は、

完全な理想論で実現は100%不可能と思った事だろう。

だが、それは、物事を極端に考えている証拠だ。

頭が固すぎるので、もっと柔軟に物事を考えよう。


核保有の放棄と聞いて、

ほとんどの人は、核兵器を全て廃棄する…

そういう事を想像しただろう。

だが、俺は、そんな事は一言も言っていない。

核保有を放棄させればいいと言うのは、

そういう事ではない。




俺は、核防衛機構の創設を提案する。

とりあえず、これは仮称だ。

名前は何でもいい。

これは、国際的な軍事機構で、

核防衛機構には、独自の核戦力を保有させる。

これに加盟するためには、

憲法やその他の強力な措置により、

国家による核保有を永久に放棄しなければならない。

その代わり、加盟すれば、

核防衛機構の核戦力により、核抑止力が提供される。

仮に、加盟国が核攻撃を受けた時は、

核防衛機構が保有する核戦力が反撃する。

国家単位での核保有の放棄と、

安全保障の現状を両立させるのが、

核防衛機構の役割である。


こうして、核防衛機構の加盟国を増やしていき、

やがては、国家単位による核保有を、

全ての世界の国々に放棄させ、

核の管理を世界規模で一元化するのが、

この核防衛機構の最終目標である。

こうすれば、地球上における核戦争の危機はゼロになる。


では、核防衛機構が保有する核戦力は、

どうやって確保するのか?

これをアメリカに提供させるのである。

つまり、アメリカに最初の加盟国になってもらうのだ。

これが、アメリカに核保有を放棄させるという言葉の真意である。


だが、そんな事にアメリカが応じるだろうか?

当然の疑問である。

俺なら、応じさせる事が出来る。

アメリカの本質を知っているからだ。




アメリカは、世界一の核保有国である。

だが、アメリカは、核保有そのものには固執していない。

アメリカが固執しているのは、

世界政治と秩序における主導権である。

世界一の核兵器なんてものはアメリカからすれば、

その主導権を確保するためのひとつに手段に過ぎない。


そして現在、世界各国で、

核保有の動きがみられており、

核保有における世界的な影響力は、

相対的に低下しつつある。

アメリカもこれを理解しており、

アメリカは、新しいアメリカが主導権を握る

世界秩序の構成を模索しつつある。


この新しい世界秩序の形成の中核として、

日本から、アメリカに核防衛機構の創設を提案するのである。

アメリカの核戦力を使って核防衛機構を創設すれば、

当然、アメリカが、その主導権を握る事になるが、

そんなものは、くれてやればいい。

それで国家単位の核保有の放棄と、

世界の核管理の一元化が実現出来るならば、

そんなものは、大事の前の小事に過ぎない。


それでも、それでアメリカに主導権を与えてしまえば、

その後、数十年はアメリカ中心の世界秩序が続き、

これを面白くないと思う奴もいるだろう。

だが、それは小さな話である。

俺は、いつも数百年や千年先を考えて政治をしているつもりだ。

核防衛機構が実現して、当面は、欧米に主導権を握られようが、

百年先でも千年先でも、平和な秩序が確立された後で、

政治的に主導権争いをして、取り戻せばいいだけの話だ。

とにかく…



結果を自分が生きている内に求めなければいいのである。



それが国家戦略と言うものだ。

最近の人々は、焦り過ぎである。

今が大事という事も解るが、

国家戦略には、本当にこれくらいの長いスパンで考えるような

超長期的な視点が必要なのである。



ただ、日本も一定の発言権を確保しておく必要がある。

実は、俺が目指す日本の核保有の目的はここにある。

もし、核防衛機構がアメリカに主導させて実現出来れば、

イギリスやフランスも加盟してくるだろう。

そうなった場合、例え核保有を放棄したとはいえ、

核防衛機構が保有する核戦力を提供した国は、

一定の強力な発言権を得るだろう。

別に主導権は誰が握ったって構わないが、

意見を言う事と、それを議題に乗せて議論させる程度の政治力は、

初期段階でも確保しておく必要がある。

だからこその日本の核保有だったのだ。


あとは交渉術の問題だ。

まあ、日本の外交においての一番の問題はこれなんだが、

アメリカの本質さえ解っていれば、

この構想はいくらでも実現可能である。




もちろん、この構想は、

核だけにとどめる必要はない。

軍事力も同じ発想で統合していけば、

国家単位での軍事権を世界中から放棄させ、

これも地球規模で一元化する事も可能であろう。

ただ、最初の内から欲張りすぎると、

二兎を追う者一兎も得ずになりかねないので、

ここでの提案は核兵器に関してのみにとどめておこう。


しかし、これをきっかけにして、

明治維新の世界規模での実現は可能であると

私は考えている。





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